「新しい生活様式」と聞いて、何を思い浮かべますか。コロナ禍で耳にするようになったこの言葉を「お題」として、SF作家の北野勇作さんにショートショートを書いてもらうと――。
きたの・ゆうさく 1962年、兵庫県生まれ。2001年『かめくん』で日本SF大賞を受賞
なんだ、また昔の動画を見てるのか。ああ、勉強。なるほど、それも勉強のうちね。そりゃそうだよな。たしかに学べることは多いか。なにしろずいぶん変わったからな、いろんなことが。今の目で見ると、それだけでもおもしろいだろ。えっ、おもしろいっていうより、不思議か。
だろうな。あの頃を知ってる私から見ても、ぎょっとしたりするもんな、今見ると。
今の常識がもう身体に染み込んでるんだな。そういうもんだろ、常識とか日常なんて。何が当たり前で何が変なのか、なんて、その時代でずいぶん違うからな。そうそう、昔のドラマとか映画とか見ると、私だってびっくりするよ。よくこんなこと平気でやってたなあ、とかさ。でもその当時、そんなこと言ったら、変な奴(やつ)だと思われただろうね。
えっ、ああこれな。これは、握…
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。
残り:1102文字/全文:1525文字
2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら
速報・新着ニュース
あわせて読みたい