中島嘉克、土居新平
店の入り口で手や指を消毒し、客と従業員は互いに距離を保つ。新型コロナウイルスの感染拡大は、日々の買い物の現場を一変させた。懸念される「第2波」にどう備えるのか。収束後の小売業の姿はどうなるのか。流通最大手イオン社長に3月に就いた吉田昭夫氏に聞いた。
拡大するイオンの吉田昭夫社長=千葉市美浜区
――専門店の休業を強いられたイオンモールは、5月末には全館での営業に戻りました。
「足元の数字では客数は昨年並みに戻ってきた。ただ、新型コロナは業態や業種によって明確に濃淡が出る。総合スーパーの数字は悪くないが、シネマやフィットネスといった閉鎖空間の事業のお客さんは少ない。フードコートも席を半分にした。その分、(売り上げは)落ちるが、安全を守るのが最優先だ」
――マスクの着用や手指の消毒、検温を客にお願いしています。
拡大する体温を測る来店客=5月28日、千葉市美浜区のイオンモール幕張新都心
「いまは感染症を防疫しつつ、事業を続ける『ウィズコロナ』の時期。企業と地域の人が一緒になって地域を守る姿勢が必要だ。食料品や日用品を買いに来る場所には感染リスクがあるが、ルールを守れば防げる。マスクをしてソーシャルディスタンス(社会的距離)をとる。それを買い物の常識にしないと、気がついたら第2波にさらされていたということになる。医療崩壊を起こさず、コロナが普通のインフルや風邪のランクになったときに『アフターコロナ』の世界がくる」
「イオンとして『防疫プロトコル』という規定をつくり、今月中旬に社内に発信しようとしている。ウイルスの特性を理解し、エスカレーターは間隔を空けて乗ってもらうよう印をつけたり、買い物カゴは消毒して消毒済みの場所に積んだりといった具体的な感染対策を従業員で共有する」
――ウィズコロナはいつまで続きそうですか。
「冬にインフルエンザと新型コ…
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