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 立憲民主党の枝野幸男代表は9日の衆院予算委員会で、自身が先月発表した政権構想をもとに、「ポストコロナ」の政治のあり方について安倍晋三首相に論戦を挑んだ。

 「政府の対策が遅れた原因は、危機で明らかになった社会、経済や政治、行政の実態を直視せず、場当たり的に進んできたことだ」。枝野氏は質疑の終盤、こう切り出し、先月29日に発表した政権構想の私案をパネルに示した。

 「目先の効率や自己責任が強調され、競争ばかりがあおられてきた。新自由主義的社会が脆弱(ぜいじゃく)であることが明らかになった」と持論を展開。PCR検査の検査数が伸びなかったのは、医療機関の統廃合や病床数の抑制にあったと指摘した。背景に小さな政府を志向する新自由主義的な考えがあると訴えた。

 首相は「我々が新自由主義的な考え方のもとに、小さな政府をひたすら追求しているのかと言えば、そんなことはない」と反論。一方で医療体制については「引き続き、医療や介護従事者の処遇改善に向けて必要な支援に努めていく」と述べるにとどめた。

 補正予算の審議で、政権構想をぶつけた枝野氏に「唐突だった」(立憲幹部)という指摘もある。ただ、首相と野党党首が直接対決する党首討論は今国会では一度も開かれていない。立憲の政党支持率も伸び悩む中、枝野氏には野党第1党の党首として、政権構想をアピールする狙いがあったとみられる。

 質疑後、「大きな視点から今の感染症対策に臨む姿勢やその先の社会の展望を尋ねたが、従来の施策の言い訳に終始したのは大変残念だ」と記者団に述べ、論戦は不完全燃焼だったことをにじませた。(吉川真布)