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 ニューヨーク州北部バファローで人種差別への抗議デモの最中に75歳男性が警官に突き飛ばされ、重傷を負った事件をめぐり、トランプ米大統領は9日、自身のツイッターで「押されたよりも激しく転んだ」と主張し、この男性を過激な反ファシスト集団「アンティファ」の扇動家だとの陰謀論を展開した。ニューヨーク州のクオモ知事は記者会見でトランプ氏に「謝罪するべきだ」と迫った。

 事件当時の映像によると、市役所前広場に集まった人々に向かって警官隊が前進。男性は警官隊に近寄って話しかけたところ、警官2人に突き飛ばされて後ろ向きに倒れて頭を強打。耳から血を流し、倒れたまま動かなくなった。重傷を負った男性はいまも病院に入院中。警官2人は第2級暴行罪で訴追されている。

 トランプ氏はツイートで「仕組まれていた可能性があるのではないか?」とも書き込んだ。右派メディア「ワン・アメリカ・ニュース・ネットワーク(OANN)」がこの事件について何の証拠もないまま「アンティファが扇動している可能性がある」と報道していたことが陰謀論の主張の背景にあるとみられる。

 クオモ氏は9日、記者会見で、トランプ氏のツイートを「なんて無謀で無責任で不作法なのだ」と厳しく非難。全米が苦悩と怒りで満ちているときに「トランプ氏は火にガソリンを注いでいる」と語った。(ワシントン=園田耕司)