「コロナ時代」の若者たち 静止する世界に見たものは
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。国の緊急事態宣言が解除され、感染拡大のペースは落ち着いてきたようにも見える。一方、「第2波」への懸念がくすぶり、私たちの日常は大きな転換を強いられている。それは、夢を追う若者たちも例外ではない。
打ち込んできた部活の発表の機会や学びの場を失った学生、不透明な行く先に不安を覚えながら就職の岐路に立つ若者。彼ら、彼女らにとって、自粛の数カ月で奪われた時間と機会の人生に占める割合は大きい。
それでも不安や葛藤を抱えながら「コロナ後」の世界を歩んでいく6人の若者たち。それぞれの思いを5月21日から6月2日にかけて聞いた。
■プロフィールと4つの質問
①肩書 ②最近気になったニュース ③自宅で夢中になったもの ④今一番やりたいこと ⑤新型コロナウイルスの流行によって気づいたこと
男子新体操部の高校3年生 釋氏乗真(きくち・じょうしん)さん 17歳
高校最後の夏として目標にしていたインターハイがなくなりました。個人競技は出たことがないので、出たかった。悲しくて、悔しかった。でも、中止が決まったことで、逆に前を向けたような気もします。決まらないまま過ごすのが、一番きつかった。
3年生は僕1人。一つ下に実力のある後輩がいて、負けられないというプレッシャーがありました。だから本音を言うと、ほっとした部分も少しあります。
自宅の寺の境内で練習しています。大学でも新体操を続けて、パフォーマーになるのが夢です。
①尼崎西高校新体操部3年生
②SNS上での誹謗(ひぼう)中傷
③映画「グレイテスト・ショーマン」
④タンブリング(マット上での跳躍、回転運動)がしたい
⑤自分の精神的な弱さ、表現力や体の線のきれいさなどの強み
航空専門学校生 北村ひかる(きたむら・ひかる)さん 20歳
就職活動で航空会社のオンライン面接を受けていましたが、採用が中断しました。春休みで石川に帰省していたので、大阪には3カ月ぶりに戻りました。
休校中は部屋で一人泣いてい…