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 日本高校野球連盟は10日、新型コロナウイルスの影響で中止となった今春の第92回選抜高校野球大会に出場予定だった32校を8月に阪神甲子園球場に招き、試合を行うと発表した。「2020年甲子園高校野球交流試合」(仮称)とし、日本高野連が主催し、朝日新聞社、毎日新聞社が後援する。8月10~12日、15~17日の計6日間、32校が1試合ずつ戦う。

 ゆかりの食堂や宿舎からは歓迎の声が上がった。

 阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)近くにある「大力(だいりき)食堂」。大会期間中には高校球児やファンらが名物のカツ丼を食べに訪れる。今春の選抜大会が中止になり、店主の藤坂悦夫さん(81)は、街に活気がなかったと振り返る。「普段なら店に顔を見せてくれる球児が来なくて寂しかったので、ものすごいうれしい」。妻の初枝さん(78)は「球児が最後に甲子園の土を踏めることになってよかった」と笑顔だった。

 選抜大会で大分商が宿泊予定だった温泉旅館「不死王閣(ふしおうかく)」(大阪府池田市)の岡本厚社長(62)は、試合前夜の食事はカツレツを振る舞い、従業員らとアルプススタンドで声援を送ってきた。「宿泊を受け入れることになれば、全力でもてなしたい」と言う。

 広島市の荒牧淳さん(52)は、1982年の夏から甲子園に春夏欠かさず足を運んできた。「1試合にすべての思いをぶつけてほしい」。だが、今回は無観客での開催になる。「歓声が聞こえる独特の雰囲気の中でプレーできればよかったが、仕方ない」

 東京都千代田区のJR神田駅近くにある居酒屋「球児園」は、甲子園の期間中は朝から店を開けている。山川健児店長(44)は「救済策はどうなるんだろう」と客と話してきた。「今年の夏も試合にあわせて店を開け、ソーシャルディスタンスに気をつけながらみんなで応援します」