拡大する写真・図版ニューヨークで1939年、「風と共に去りぬ」の公開初日に映画館に詰めかけた人たち=AP

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 黒人男性が白人警官に暴行されて死亡した事件を受けて全米で人種差別への批判が強まる中、米動画ストリーミングサービス「HBO Max」は9日、1939年公開の映画「風と共に去りぬ」の配信を停止した。映画は南北戦争で奴隷制を守ろうとした米南部を舞台とし、かねて人種差別的との批判が出ていた。

 同社は米メディアなどへの声明で、「映画には、米社会によく見られてきた民族や人種に対する偏見が描写されている」と指摘。「こうした人種差別の描写は当時も間違っていたし、今日でも間違っている」などとした。同社は今後、映画の歴史的な意味合いや、差別表現への批判などの説明を加えた上で、配信を再開するとしている。

 マーガレット・ミッチェルのベストセラー小説を映画化した「風と共に去りぬ」は、40年のアカデミー賞で作品賞など8部門で受賞。米映画の中でも大成功した作品と位置づけられている。激動の時代を生きた女性たちの姿を描いた一方で、奴隷制を美化しているなどとの批判もあった。

 この映画をめぐっては、奴隷制の過酷さをテーマにした映画「それでも夜は明ける」の脚本を手がけたジョン・リドリー氏が8日、ロサンゼルス・タイムズ紙に配信停止を求めて寄稿。「映画は、南部連合が米国から分離を目指したのは、奴隷制維持よりも崇高な目的があったと美化している」などとしていた。(ニューヨーク=鵜飼啓)