拡大する写真・図版米ワシントンで6日、「黒人の命は大切」と書かれたプラカードを掲げるデモの参加者=ロイター

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 米ミネソタ州ミネアポリス市で先月、黒人のジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行され死亡した事件が波紋を広げています。黒人への暴力に抗議するデモは、全米、そして世界中へと拡大しました。黒人への差別や暴力に対しては、これまでも多くの人たちが反対の声を上げてきたにもかかわらず、なぜこうした事件が繰り返されるのでしょうか? 米国社会に詳しい一橋大大学院の貴堂(きどう)嘉之教授(アメリカ政治社会史)に、その背景を読み解いてもらいました。

 ――米国で黒人が白人警官に殺されるという事件が、また起きてしまいました。

 1991年にロサンゼルス市で黒人男性が白人警官に暴行される事件が起き、92年に大規模な暴動に発展しました。最近でも2012年にフロリダ州、14年にニューヨーク市やミズーリ州ファーガソンで黒人が自警団員や警察官に殺害される事件が起きるなど、多くの黒人が被害に遭っています。そのたびに黒人への暴力は問題になってきました。「Black Lives Matter(黒人の命は大事)」の運動が始まったのは13年ごろからです。

 自らも黒人で問題意識を持っていたオバマ前大統領は、在任時(09~17年)に『ポリス・ブルータリティー(警察の残忍な暴力)』を抑止するための警察改革に取り組み、パトロール中のボディーカメラ装着など暴力の規制を試みました。しかしアメリカの警察権は州管轄で、一律の指導は難しいのが実情です。そのうえ、トランプ大統領が誕生してからは、米国の各地域にある警察組合によってこうした規制が白紙撤回されてきた経緯があります。

 今回フロイドさんを死なせたとされるデレク・チョービン被告は、20年近いキャリアで少なくとも18回の不祥事を起こしたと報道されていますが、そういう人物でも警察官で居続けられるというのが、今の警察組織の実情だと思います。

ミネアポリスがはらむ二面性

 ――トランプ政権になって警察改革の風向きが変わったのですか。

 米国の警察組合は、地域によっ…

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