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コロナ法律相談 回答:小林寛治弁護士

新型コロナウイルスで大きな打撃を受けている、中小企業や個人事業主。どのような悩みを抱え、どう対応していけば良いのでしょうか。読者から寄せられた相談などをもとに、弁護士に聞きました。(聞き手・遠藤隆史)

 Q 20人程度が集まる講演会を開催する予定です。開催して新型コロナウイルスの感染者が出れば責任を問われますか。中止した際の会場費の支払いはどうなりますか。

 A イベントの開催事業者には、参加者の健康や安全に配慮してイベントを行う「安全配慮義務」があります。イベント参加者が感染した場合、参加者から義務を怠ったとして損害賠償を請求される可能性があります。

 裁判などで実際に賠償責任を負うのは、「イベントに参加したために感染した」という因果関係が証明された場合です。換気をしなかったり、発熱した参加者の入場を許可したり、主催者側が十分な感染予防策をとらなければ、因果関係が認められる可能性が高まります。開催するなら感染予防に細心の注意を払ってください。

 中止時に会場の使用料を支払う必要があるかは、契約書の内容次第です。「天変地異の場合はイベントを中止し、契約を解除できる」などの規定があり、今回の感染拡大が天変地異にあたると判断されれば支払いは不要です。世界的な感染拡大という状況が、「天変地異」とみなされる可能性は十分にあります。

 そうした規定がなければ、会場費は主催者側の自粛による中止なら主催者側が、会場を貸した側が中止した場合は貸主側が支払うのが原則です。負担を避けようと両者が中止を決めない事態も想定されます。腹を割って、損害の負担割合などを早急に協議するのが現実的な対策でしょう。

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こばやし・かんじ 2000年弁護士登録。大阪弁護士会の中小企業支援センター事務局長。MBAの学位を持ち、中小企業法務や事業承継問題に取り組む。

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