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 ロックダウンで休校になってから、息子の中学の先生たちから毎週のように電話がかかる。それぞれの教科の教員たちが定期的に保護者に連絡し、生徒たちのオンライン学習は順調か、何か問題はないかと確認しているのだ。

 「先生たちこそ、オンライン授業は大変でしょう」

 と言うと、ある数学の教員はこんなことを言った。

 「興味深いこともあるんです。ふだんは質問なんかしてこなかった子たちがメールを送ってくる。成績も振るわず、授業に関心もなさそうだった子に限って『ここがわからない』と言って……」

 「それは面白いですね」と答えると彼女は言った。

 「ひょっとして、私はそういう子が質問できない雰囲気の授業をしていたのではと反省しました。今の状況はこれまで気づかなかったことを学ぶ機会になっています」

 オンライン授業の準備、教員たちとのZOOM会議、保護者たちへの定期的な電話など、休校でかえって仕事は増えたに違いないと思うが、教員たちはみな熱心だ。

ケア階級に感謝の拍手

 著書「負債論」で有名な人類学者のデヴィッド・グレーバーは、何年も前から「ケア階級」という言葉を使ってきた。医療、教育、介護、保育など、直接的に「他者をケアする」仕事をしている人々のことである。今日の労働者階級の多くは、じつはこれらの業界で働く人だ。製造業が主だった昔とは違う。コロナ禍で明らかになったのは、ケア階級の人々がいなければ地域社会は回らないということだった。私たちの移動を手伝うバスの運転手や、ゴミの面倒を見てくれる収集作業員などもここに含まれている。

 ケア階級の人々はロックダウン…

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