拡大する写真・図版危急種への格下げの動きが論議を呼ぶタンチョウ。釧路湿原周辺への一極集中を避ける政策の影響などで、遠い知床半島間近の牧場に居着き始めた=5月26日、北海道標津町

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 タンチョウが絶滅危機種(EN)から1段階弱い危急種(VU)に格下げになるかもしれない――。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストの鳥類の評価の実務を担う国際環境NGOがそのような方針を示したところ、日本内外の研究者らから異論が相次ぎ、大きな論議になっている。

レッドリスト変更 NGO「十分な理由」

 評価見直しを進めるのは、英国に本部を置くNGO「バードライフ・インターナショナル」。日本法人の一般社団法人バードライフ・インターナショナル東京などによると、同NGOは今月1日、自ら設けたインターネット上の掲示板で、「個体数とその傾向に関する新しい知見によると、レッドリスト上の扱いを変更する十分な理由になる」などと事実上の格下げ方針を示した上で、意見の募集を始めた。

 日本や中国、ロシアなどのタンチョウの研究者らが「日本では増加しているが、大陸では減少している」などと反論の投稿が相次いだ。その一方で、「反対」とだけの短文投稿も多く、NGO側が「反対意見を支える証拠もしくは参考文献をお願いしたい」と呼びかける一幕もあった。

 NGO側は最速年内にも結論を出す方向で作業を続けているという。

 環境省のレッドリストでタンチョウは、3ランクある絶滅危惧種の中で最も下位の「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に分類されている。「絶滅の危険が増大している」という「危急種」の位置づけだ。

 同じ北海道に生息する希少鳥類のうち、シマフクロウは「絶滅の危機に瀕(ひん)している」程度が最も高い「絶滅危機ⅠA類(CR)」の「絶滅寸前種」、クマタカは1ランク下の「絶滅危機ⅠB類(EN)」の「絶滅危機種」だ。

 実はタンチョウの場合、環境省による1998年のレッドリスト見直しで、「保護増殖事業により個体数の増加傾向が定着している」との理由で、アホウドリとともに旧版の「絶滅危機種」から「危急種」に変更された。日本では一足早く、格下げが行われていたわけだ。

北海道のNPO「好転してない」

 だが、今回の国際環境NGOによるタンチョウのランク見直しの動きと、環境省によるかつての見直しは、その持つ意味合いが大きく異なっている。

 環境省によると、同省のレッド…

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