国内クラスターの半数、若者引き金 特定した22例分析
国内で発生した新型コロナウイルスの感染者集団(クラスター)61例を詳しく分析した論文を、厚生労働省クラスター対策班に参加する研究者らが10日、米疾病対策センター(CDC)の専門誌に発表した。若者がウイルスを持ち込んで感染を広げたケースが多かったとしている。
論文によると、1月15日から4月4日に国内で感染が確認された3184人を調べたところ、同じ場所で5人以上の感染者が見つかるクラスターが61例みつかった。発生場所は医療機関が18例で最も多く、老人ホームなど(10例)、飲食店(10例)、職場(8例)、音楽関係イベント(7例)と続いた。
22例については、最初にウイルスを持ち込んだとみられる人を特定。うち20代は6人、30代は5人で、若者が半数を占めた。最初に感染を広げた日が特定できたのは16人。うち5人は発症の1日前、4人は発症当日だった。
論文の著者は押谷仁・東北大教授や西浦博・北海道大教授ら17人。筆頭著者の古瀬祐気・京都大特定助教(感染症学)は「3密の条件がそろうと感染が広がりやすいことは、限られた数の感染伝播の状況を分析することで流行初期から分かっていたが、今回、改めてデータで示された。無症状や発症前の人からの感染も起きているので、周りの人と距離をとることが重要だ」と話している。(合田禄、阿部彰芳)
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