日本の公立小学校で、発達障害などと診断され特別支援学級に入る外国人の子どもが目立つ。なぜそんなに多いのか。ブラジル人が多く暮らす地域を毎年訪れ、「デカセギ」の子どもの教育問題を調べてきたブラジル在住の臨床心理士中川郷子さん(63)が、この問題のからくりと、日本の将来にもたらす影響について語った。
――「発達に問題がある」とされる、外国籍の子どもが特別支援学級に多くいるそうですね。
「私は、日本からブラジルに帰国した子どもの教育や心理面を支援する『カエルプロジェクト』のコーディネーターをしています。そのため毎年来日し、日系ブラジル人がたくさん住む地方都市を訪れ、親や子ども向けのセミナーを開いています。活動するうちに、特別支援学級に日系ブラジル人の子どもが不自然に多くいるのが気になりました。調べてみると、日本人の子どものうち特別支援学級に在籍する生徒の割合は全体の2~3%なのに、外国人の子どもでは5~6%にのぼることがわかりました」
――なぜそんなに高いのでしょう。
「実態を調べるために、特別支援学級にいた日系人の子どもたちに、日本語とポルトガル語がわかる私が知能検査などを行いました。すると、発達障害の疑いがない子が半数ほどいたのです」
――なぜ、そんなことが?
「文の構造が理解できるなど…
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