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 まもなく父の日。「これ、少しだけど」。社会人になったあの子は、毎年欠かさずプレゼントを用意してくれた。「どうかな、開けてみて」。気恥ずかしそうに笑顔を浮かべていた。

 岩手県陸前高田市米崎町。広田湾を見下ろす高台の集落で、金野雅(ただし)さん(71)は妻のトエ子さんや息子家族と暮らしている。

 長女の照代さんは3人きょうだいの末っ子で待望の女の子。仙台市内の専門学校を卒業してすぐ、「家族と一緒に暮らしたい」と実家に戻ってきた。パジャマや靴、財布――。市街地のクリニックで医療事務員として働き、大切にためた給料でプレゼントを贈ってくれた。どんどんきれいになっていく娘の姿に、夫婦は互いに「私に似たんだ」と笑い合った。

 「お母さん、大丈夫?」2011年3月11日。大きな揺れの直後、勤務中の照代さんから、トエ子さんの携帯電話にメールが届いた。すぐに電話をかけ「大丈夫だー」と伝えた。「私も大丈夫」。照代さんも短く応じた。

 しかし、その夜も、次の日も、…

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