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 自民党の下村博文選挙対策委員長が会長を、稲田朋美幹事長代行が幹事長を務め、新型コロナウイルスの終息後の社会像を議論する議員連盟が11日、発足した。130人を超える議員が参加し、幅広い分野での提言をめざす。「コロナ後」の政策立案を主導し、党内での求心力を高めるねらいもありそうだ。

 国会内でこの日開かれた「新たな国家ビジョンを考える議員連盟」の設立総会で、下村氏は政権のコロナ対策への不満の高まりを念頭に「このままでは自民党も相当厳しい状況になる」と強調。稲田氏も会合後の会見で「巨額な経済対策のわりには不満がある」と述べ、危機感をにじませた。

 会合では出席者から「今回の政策は歴史的検証にたえられるのか」との声が相次いだ。議連は今後、政権のコロナ対策の検証に取り組むほか、コロナ後の社会改革、教育改革などの議論を進め、同党への提言につなげるという。

 議連発足の背景には、新型コロナ対策のとりまとめ役を党内で担ってきた岸田文雄政調会長に対抗する狙いも透ける。いったん決めた減収世帯への30万円給付案がひっくり返るなど、この間の政府・与党の対応への不満もくすぶり、下村氏らは、政調以外でも政策議論の場が必要と議連の立ち上げに動いた。

 党幹部が主導し、党の正式ルートと異なる政策論議の場を立ち上げるのは異例だ。下村、稲田両氏は次の総裁選への立候補を探っており、党内では「議連で存在感をアピールしたいのだろう」との見方も出ている。

 岸田氏も今月、コロナ後を見据え政策を議論する「新国際秩序創造戦略本部」を立ち上げており、11日には2回目の会合を党本部で開いた。一方で、岸田氏は議連の総会に招かれたものの「都合が付かない」として党4役でただ一人出席しなかった。岸田派若手は「政局のにおいがぷんぷんする。普通の議連とは違う」と警戒感を語る。(石井潤一郎)