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 災害時に避難所で新型コロナウイルスの感染が広がるのを防ぐため、茨城県は発熱の有無など住民の健康状態に応じて使用施設を分けるよう市町村に通知した。より多くの避難先を確保するため、民間事業者に協力を呼びかける動きも出てきた。

 一時的に多くの住民が身を寄せることになる避難所について、国は4月、「3密」を避けたり、体調不良者の居場所を分けたりするよう都道府県などに通知していた。

 県は5月、コロナ対策の避難所運営の指針を市町村に通知。発熱やせきなどの症状がある体調不良者専用の避難所を選定することを盛り込んだ。一つの施設内でスペースを区切るのではなく、別々の施設に振り分けることで、トイレなどの共有部で健康な人と熱のある人が接触する機会をなくすことなどが狙いだ。

 水戸市では、密集を避けるために、災害の大小にかかわらず82カ所の指定避難所すべてを開ける運用に改める。これまでは、高齢者を中心に避難の呼びかけを始める段階では、34カ所の市民センターのみを指定避難所として開設することが多かった。新たな運用では、この時点ですべての指定避難所を開設する。

 加えて、これまでの避難先は、体調不良者らは民間福祉施設など、一般の住民は小中学校などだったが、この区分けも見直す。

 新たに策定した指針では、一般の住民は小学校に避難してもらう。コロナへの感染の可能性が残る濃厚接触者など健康観察中の人は中学校の体育館へ、体調不良者は中学校の特別教室などに振り分ける。民間福祉施設は、入所者への感染を防ぐため使わない。

 さらに、大規模災害で避難者がふくれあがる事態に備え、ホテルや旅館などの活用も視野に入れる。6月中にも、市内33の宿泊施設が加盟する組合と協定を結ぶ方向で調整している。

 神栖市も4月中旬、コロナ禍での避難方法に関する指針を新たに追加。発熱やせきなどがある人専用の避難先として、市内の福祉センターなど2カ所を決めた。坂東市では、体調不良者用の宿泊先として、市内のビジネスホテルと調整を進めた。

 今後課題になるのが、住民への周知だ。従来と避難先の区分けが変わっていることを認識しないまま、体調不良の人が一般の避難所に来ることも予想される。水戸市の担当者は「市の広報誌やホームページなどで、丁寧に周知していきたい」と話す。

 体調不良者が集まる避難場所の運営方法も、手探りの状態だ。同市は、体調不良者らが避難する中学校では、防護服を着用したり、立ち入り禁止エリアを設けたりすることを決めた。市職員に対し、防護服の着脱研修などを実施する予定だという。(片田貴也)

コロナ禍での避難の注意点(県への取材による)

・安全な場所であれば、親戚や知人宅などへの避難を検討する

・避難の際は、体温計、マスク、消毒液なども持参する

・これまでの避難先と変わっていないか自治体に確認しておく

・体調が悪い場合はすぐに申し出る

・避難者間(家族間)の距離を1~2メートル程度あける