拡大する写真・図版荻上チキさん

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 新型コロナウイルスの感染拡大のなか、ネット上で反対運動が起こった検察庁法改正の問題。著名人らを巻き込んだ「#検察庁法改正案に抗議します」のツイートが、通常国会での成立断念に追い込んでいった。この問題を取材していた私にとっても、政治を動かす世論の大きなうねりは驚異的だった。なぜ、人々は動いたのか。ラジオ番組でパーソナリティーを務める、評論家の荻上チキさんに聞いた。(聞き手・楢崎貴司)

荻上チキ氏略歴
おぎうえ・ちき 1981年生まれ。TBSラジオ「荻上チキ・Session―22」のパーソナリティー。著書に「みらいめがね」など。

 僕は多くの有権者は、民主主義制度をめぐる議論に関心を持ちにくいと思っていました。例えば、景気が悪化した時の賃金とか、工場で食べ物に異物が混入したとか、直接自分の生活に関わることには大きく反応する。他方で、文書主義とか定数是正とか、抽象的に聞こえがちなテーマは、反応が薄い。モリカケ(森友・加計学園)問題などには各論的に批判しても、優先順位は低く見積もる。だから、今回のツイッター上のデモを通じて問題が広がったのは、意外でした。

 検察庁法改正をめぐる問題は、安倍政権では決して新しい問題ではありません。文書が残っていない、法解釈を変える、特定の人事の経緯が分からない。どれも「またか」と思える、「らしい一件」だと思います。「説明責任」という言葉があまりに軽くなってしまっています。

 過去の安保法制や共謀罪などでの成功体験が、今の政権にはある。「国民はすぐ忘れるだろう」と。批判層にすら、何をやっても効果がない、と学ばされてしまう「学習性無力感」がある。だが今回、反対運動が広がった。これまでと異なるオピニオンリーダーが動いたためです。

 拡散過程では、「わかりやすい…

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