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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、地方議会で質問の中止や傍聴の自粛が相次いでいる。感染防止が理由だが、議会の機能を自ら制限するような対応に疑問の声が上がる。一方で、議事のネット公開やオンライン会議を導入したところもある。「開かれた議会」のあり方が問われている。

 4月24日に開会した大阪府議会臨時会は普段と様子が違っていた。出席議員のうち47人は議員席で隣の席を空けて座り、それ以外の40人は傍聴席に。一般の傍聴はできなかった。

 府議会は5月定例会の会期を19日間から5日間に短縮し、一般質問も予定の約20人から5人に絞った。

 同様の動きは各地の議会でみられる。

 「(市内で感染者が相次ぎ)関係部局が連日対応に追われている」。新潟市議会では3月、議長が議会運営委員会で2月定例会での一般質問の中止を提案、全会一致で決まった。質問に対応する市幹部らの負担を減らすためだが、議運の委員ではない無所属議員が「議会機能を自ら返上するようなものだ」と反発。新型コロナ関連の質問は残すべきだ、などと訴えた。

 熊本市議会も2月定例会での代表質問と一般質問を取りやめ、市民団体が「議会制民主主義の形骸化につながる」と質問を行うよう申し入れた。

 「当面の間、傍聴自粛を呼びかける」と神奈川県横須賀市議会が2月下旬に発表すると、横須賀市民オンブズマンが「拙速だ」などと批判。「傍聴は主権者の参政権でもあり、主権者の知る権利の保障」と訴えた。三重県伊賀市議会は3月、本会議の開会直前の議運で傍聴の中止を決め、知らずに議場を訪れた人には退出を求めたという。

 早稲田大学マニフェスト研究所が3月議会での対応を調査したところ、回答のあった141議会のうち「傍聴の自粛・制限・中止」は32・6%、「一般質問・質疑の中止・取り下げ」は19・9%だった。

 徳島県の川島町(現吉野川市)の元町長で、地方自治に詳しい中村健・同研究所事務局長は「質問の中止などは仕方がない面もあるが、有権者の知る権利や情報公開の面からもっと工夫できなかったのか。非常時への準備不足が露呈した形だ」と指摘する。

■オンライン会議導入は…

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