[PR]

 中国の習近平(シーチンピン)国家主席が年内に国賓として訪日するのが難しい情勢になった。当初は4月の予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で延期。さらに中国が香港での反体制的な言動を取り締まる「国家安全法制」の導入を決めたことで、自民党で反対論が強まった。中国側も日本への不信感を深めており、見通しが立たなくなった。

 12日の参院外交防衛委員会で、自民党の山田宏参院議員は習主席の国賓訪日について、「尖閣問題も変わらず、香港もウイグルもチベットも人権問題は何も解決しない。なんで国賓来日なのか」と迫った。茂木敏充外相は「趣旨はよくわかった」と答えただけだった。

 自民党内には当初から、習氏の国賓訪日に反対する声があった。香港問題に加え、コロナ禍でも沖縄県の尖閣諸島周辺の領海への中国公船の侵入が繰り返されたことや、新型コロナをめぐる中国の対応が問題視されていた。さらに中国が国家安全法制の導入を決めたことで、いっそう難しくなった。

 導入が決まると外務省の秋葉剛男事務次官は5月28日、中国の孔鉉佑(コンシュワンユー)駐日大使を外務省に呼び、「香港は一国二制度の下に自由で開かれた体制が維持され、民主的、安定的に発展していくことが重要だ」とし、「深い憂慮」を強く申し入れた。駐日大使を外務省に招致するのは2018年1月に尖閣諸島周辺の日本の接続水域に中国海軍の艦艇が侵入した際に抗議して以来。「異例の対応」(外務省幹部)だった。

 5月29日には、自民党の外交部会などが非難決議を菅義偉官房長官に提出。習氏の訪日を「再検討も含め、慎重に検討」するよう求めた。

 安倍晋三首相は9日の衆院予算委員会で「今は具体的な日程調整をする段階にはない」と述べた。延期が決まる前の昨年12月の日中首脳会談では「習主席の国賓訪日を極めて重視している」と意欲的だったが、トーンは大きく下がっている。

 今後、9月以降に延期された主要7カ国首脳会議(G7サミット)や、11月のG20サミットでは、香港情勢や新型コロナをめぐる中国の対応も議論される見通しだ。茂木外相はすでに習氏の国賓訪日はG20の後になる見通しを示しており、外務省幹部も「年内は難しい」と言う。政権幹部は「中国への批判が強い間は、やり過ごす方がいい」と当面は推移を見守る考えを示した。

 中国でも習氏の訪日への熱は急…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら