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 大平正芳元首相の40回目の命日に当たる12日、大平氏が会長として率いた自民党宏池(こうち)会(現岸田派、47人)で名誉会長を務める古賀誠元幹事長は若手議員ら11人と東京・府中市にある大平氏の墓参りをした。「ポスト安倍」をめざす岸田文雄政調会長を先頭に同派の躍進を誓った。

 1980年6月12日、史上初の衆参同日選に打って出た大平氏は選挙戦のさなかに倒れ、首相在任のまま亡くなった。その10日後の同日選で自民党は圧勝。この選挙で初当選した古賀氏は墓前で「なんとしても勝たなきゃいけない、そんな思いで戦ったことを昨日のように思い起こす」と振り返った。

 大平氏は1978年から約1年半、首相を務めた。経済的豊かさを求めた戦後日本の転換を求めた「田園都市構想」を提唱し、人間と自然が調和する国づくりをめざした。古賀氏はその構想を踏まえ、「『経済だ、経済だ』とひた走るなかで、私たちは本当の意味での戦後の価値観を創造するのをさぼってきたような気がする」と吐露した。岸田氏が新型コロナウイルス後の社会像を議論する会議を立ち上げたことに触れ、「日本の新しいありようを岸田会長を中心にいま議論をしている。宏池会の哲学が生きるような日本の価値観をしっかりと示していただきたい」と、岸田氏への期待感を示した。

 岸田氏に対しては党内で、コロナ対策を取りまとめた責任者としての手腕に疑問を投げ掛ける声もある。コロナ後の対策作りでは、岸田氏主導の会議に対抗するように議連が立ち上がるなどの動きも出ている。古賀氏は「宏池会の政治に奇策は無用。王道を一歩ずつ歩く心構えで、心の優しさと日本人の魂のこもった新しい国家の価値観をつくりあげてほしい」と、岸田氏に求めた。(西村圭史)

拡大する写真・図版大平正芳元首相の命日に墓参した古賀誠・自民党元幹事長(写真右)ら=2020年6月12日午前、東京都府中市、西村圭史撮影