河井克行氏の元秘書、起訴内容を否認 公選法違反事件
昨年7月の参院選で初当選した自民党の河井案里参院議員の陣営が車上運動員に違法な報酬を支払ったとされる事件で、案里氏の夫で前法相の克行衆院議員の元政策秘書で、公職選挙法違反(買収)罪に問われた高谷真介被告(43)の初公判が12日、広島地裁(杉本正則裁判長)であった。被告側は「報酬額の決定や支払いに関与していない」として無罪を主張した。
検察側の冒頭陳述によると、高谷被告は克行氏の政策秘書だった昨年4月中旬ごろから、案里氏の陣営で事務長補佐として報道対応や広島入りする国会議員の日程調整などに従事。案里氏の公設秘書、立道(たてみち)浩被告(54)=同罪で公判中=らと共謀して昨年7月、車上運動員計14人に法定上限の2倍の1日あたり3万円の報酬を支払ったとされる。
検察側は事件の実行行為者を立道被告としており、高谷被告に同罪が成立するための「共謀」について、6月中旬ごろ、立道被告は3万円の違法報酬額の支払いがすでに決まっていた車上運動員のグループの存在を前提に、別のグループの報酬額を高谷被告に相談し、数日後、高谷被告が「同じ1日当たり3万円で」という内容を立道被告に伝えたなどと指摘した。
他方、被告の弁護人は「(高谷被告は)報酬額の支払いに関与しておらず、決める権限もない。共謀の事実はなく、その点を争う」と述べ、無罪を主張した。
広島地検は高谷被告が立道被告と異なり、連座制の対象となる役割を担っていなかったと判断。高谷被告に有罪判決が確定しても案里氏の当選無効にはつながらない。
検察側は今後の公判で、立道被告ら陣営関係者4人の証人尋問を予定しているとした。
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