小出大貴
三菱重工業が、次期主力ロケット「H3」の、来春までの初打ち上げをめざしている。人工衛星などを運ぶビジネスとして自立させたい考えだが、海外のライバルは先を行く。勝機はあるのか。
拡大するH3ロケットのイメージ図(JAXA・三菱重工業提供)
5月21日未明、鹿児島県にある種子島宇宙センターから、先代にあたる「H2Bロケット」の9号機を打ち上げた。国際宇宙ステーションに食料や実験機器を運ぶ無人の補給船「こうのとり」を軌道に乗せ、打ち上げは成功した。
2009年にデビューしたH2Bは、この9号機が最後の打ち上げ。公的な仕事が中心で、この間、海外や民間から一件も受注できなかった。ひと回り小さく、01年から運用している兄弟機「H2Aロケット」も、海外や民間からの受注は、わずか3件。年に15~25件とされる世界市場で存在感は薄い。
一番の理由は価格だ。
「H2A」の基本的なモデルの…
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