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 新型コロナウイルスの影響で取りやめが決まっていた東京都調布市のクラシックの音楽祭が、一転してオンラインで実現することになった。総勢150人の音楽家が14日から音色を届け続ける。最終日はベートーベンの「第九」が披露される。題して「@(アット)調布国際音楽祭2020」。

 調布育ちの音楽家鈴木優人(まさと)さん(39)がエグゼクティブ・プロデューサーとして、古刹(こさつ)・深大寺の本堂を含む市内の様々な会場で演奏する独特な音楽祭を2013年から開き、去年は約1万人が訪れた。

 8回目の今年は、ベートーベン生誕250年を記念し、ベートーベンの全交響曲を演奏する予定だった。

 すべて中止になったが、鈴木さんは諦めきれなかった。「クラシックは、戦争があった時も疫病がはやった時も、乗り越えてきた」。こんな時だからこそ音楽のお祭りをしたいと思った。演奏の場を失った音楽仲間にも、音楽をしてほしかった。

 「トラックに音楽家を乗せキャラバンで街を練り歩くか」、とさえ考えた。その頃、いろいろな音楽家が演奏をネットで配信するのを目にした。1週間の音楽祭を、「史上初」と銘打ってまるまるオンラインでやろう、と思いついた。出演予定だった音楽家たちに声をかけると、多くの人が賛同してくれた。

 音楽の編集や配信などのため、500万円を目標にクラウドファンディングを始めたところ、1週間で目標を超え、最終日の12日には約750万円に達した。

 14日夜はクラウドファンディングをした人向けの特別演奏会。15日から21日まで連日、朝、昼、夜の3回、動画を配信する。観客のいないホールでの演奏をライブ配信する時もあれば、事前収録したものを流す時もある。

 最終日の21日、ベートーベンの「交響曲第9番」の第四楽章の演奏がある。バロック音楽を専門とする日本のオーケストラや合唱団である「バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)」のメンバー計約100人が、それぞれ自宅で撮った映像と音を編集したものだ。欧州のソリストたちも収録して送ってくれた。世界的ピアニストのマルティン・シュタットフェルト氏は、ドイツの自宅からオンラインリサイタルをする。

 鈴木さんは「生の演奏に勝るものはないが、音楽祭の良さを味わってほしい」。音楽祭のサイト(http://at.chofumusicfestival.com別ウインドウで開きます)で演奏を視聴できる。(平山亜理

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