[PR]

 大阪北部地震は18日に発生から2年を迎える。6万棟を超える家屋が被害に遭ったが、その99%が国の支援を受けられない一部損壊だった。昨秋、首都圏などを襲った台風と大雨で一部損壊の家屋は10万棟を超え、国もついに重い腰を上げ、救済を決めた。ただ、さかのぼっての支給は認められず、金額も限られるため、被災地の住宅再建の壁はなお高い。(室矢英樹、瀬戸口和秀)

 「追加の修理代にいくらかかるか見当もつかない。国の支援があれば直したいが……」。震源地に近い大阪府高槻市氷室町4丁目の木造平屋建て住宅に夫婦で暮らす田中幸子さん(64)はため息をついた。

 自宅は「一部損壊」と判定されたが、当時は国の支援制度の対象外で、市が独自に設けた補助金5万円のみを受け取った。約400万円かけて1階の壁や床などを修理したが、屋根裏部屋は梁(はり)が浮き上がり、壁は倒れたまま。「今後の暮らしを考えると、とても大金はかけられない」

 被害が集中した同地区では、398世帯のうち半壊16件、一部損壊227件を数え、家屋の約6割が被災した。2階の屋根はスレートぶきだが、1階は瓦のままだったり、道路に面した壁だけをタイルに張り替えたりと、部分的に修理した家屋が目立ち、空き家や更地になった場所もある。

 自宅が半壊した奥田勝さん(79)も「まだら模様の町並みになった」と話す。高度成長期に開発された住宅街で、高齢の住民も多く、老人ホームに身を寄せたり、土地を売ってマンションに転居したり、自力再建を断念し、相次いで地域を離れていったという。

 昨年9月に上陸した台風15号。千葉県市原市のゴルフ練習場の鉄柱が倒壊し、住宅が下敷きになるなど、首都圏を中心に大きな爪痕を残した。10月にも台風19号が猛威を振るい、竜巻とみられる突風も起きた。その後の大雨も含め、各地で計17万8千棟に被害が出て一部損壊は10万棟を超えた。

 支援を求める声が高まる中、安倍晋三首相は昨年10月の臨時国会で「暴風雨により極めて多くの家屋に被害が生じ、被災者の日常生活に著しい障害が生じた」と答弁。一部損壊に最大30万円を支援することにした。

 市原市の70代女性の自宅は屋根と外壁が壊れ、今月から約300万円かけて修理する予定だ。夫と年金暮らしで、火災保険はかけていなかった。一部損壊と判定され、国の30万円の支援金を受けられるが、「ないよりはありがたいけど、とても足りない」。そう言い、ブルーシートのかかる屋根を見上げた。不足分は貯金を取り崩して充てるが、修理後の生活が心配だという。

自治体の独自補助には限界

 住宅再建に対する国の支援を巡っては1995年の阪神・淡路大震災を機に、98年に被災者生活再建支援法が成立。当時の支援金は全壊世帯に最大100万円で、転居や家財購入に使途が限られた。2004年の改正で最大300万円に引き上げられ、07年には建て替えにも使えるようになった。

 国の支援は同法と災害救助法が定めるメニューに基づく。以前は半壊以上に限られ、損害割合が20%未満の一部損壊は含まれず、あくまで自力再建が原則とされてきた。

 18年の大阪北部地震で一部損…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら