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 23人が犠牲となった岩手・宮城内陸地震から14日で12年を迎える。宮城県栗原市の栗駒山にある「駒の湯温泉」は、大規模な土石流にのみ込まれ、宿泊客や旅館経営者、従業員ら7人が犠牲となった。例年は6月14日に遺族や地元住民が集まって慰霊をしていたが、今年は新型コロナウイルスの感染予防のため個々に参拝する予定だ。

 最大震度6強の揺れが引き起こした山腹崩壊と土石流により、駒の湯温泉近くの深さ約30メートルの沢は埋め尽くされた。災害復旧工事が終わった後、跡地の約1・3ヘクタールでは、7年前から植樹活動が行われている。犠牲者の鎮魂と地域の復興を願い、ブナやミズナラなどを植えてきた。いまはハンノキなどが5メートル近くに育ち、緑が広がりつつある。

 植樹を続けているのは官民共同の「くりこま絆の森植樹プロジェクト」。駒の湯温泉の旅館で母親と兄を亡くした菅原昭夫さん(64)が代表を務める。

 菅原さんは5年前、旅館の跡地で日帰り温泉施設の営業を再開した。しかし、今年は冬季休業期間を過ぎても、新型コロナ対策のため休業を続けている。

 慰霊の日を前に、菅原さんは「いま、コロナ対策で動かないようにしているが、震災の時は動きたくても動けなかった。先が見えない不安に覆われていた」と振り返った。そのうえで、こう付け加えた。

 「コロナがいつ収束するか見通せないが、いつか百年の森が姿を見せるまで、応援してくださる方たちとともに見届けたい」(角津栄一)

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