[PR]

働くってなんですか

 緊急事態宣言が解除されても、新型コロナウイルスの感染者は発生しています。外で働く人たちには個人事業主もいて、感染リスクにさらされています。安全網(セーフティーネット)をいかに用意するかが課題となっています。(編集委員・沢路毅彦)

 4月下旬、緊急事態宣言下の東京都内。40代の男性が、ある私道に面した住宅を一軒一軒訪れていた。

 男性は、東京電力のグループ会社の東電用地と業務委託契約を結んでいる。土地の所有者が変わって家を建て替えるときなど、電柱を移す工事が必要になることがある。そうしたときに地権者の了解をとるのが仕事だ。

 東電側に移設の要請があると、男性に依頼がある。男性は電柱がある現地を確認し、登記を調べてその土地の地権者を確認する。地権者に工事内容を説明し、承諾書を受け取り東電に報告する。ここまでが男性の担当だ。この手続きが終わってから工事が行われる。

 男性はこの手続き1件ごとに成果報酬を受け取る。この日も、私道の地権者宅を訪れ、工事の内容を説明する書類と承諾書を渡して回った。

 あらかじめ地権者と連絡が取れているとは限らない。相手が不在の時は、書類に手書きのメモを添えて郵便受けに投函(とうかん)する。手間と時間がかかる仕事だ。

 男性の働き方は昨年10月、大きく変わった。東電グループの方針で、業務委託契約先が以前の会社から東電用地になった。

 以前の会社では職場に自分の机があり、固定電話やコピー機が使えた。今は職場に机はなく、家で仕事をする。

 東電用地からはデータを入力する端末やモバイル用のプリンターが貸与された。コピー機はやむを得ず自費で購入した。工事の内容を地権者に理解してもらうためには、必要な書類を整え、コピーして渡した方がいいためだ。購入費の負担を東電用地に相談したが、「個人事業主だから自分で対応してほしい」と言われたという。

 「一方的に仕事の仕方が変わる。時間がよりかかるようになっても、成果報酬なので収入は増えない」

 1カ所の工事で複数の地権者が関わる場合もある。地権者の数だけ交渉履歴や伝達内容をモバイル端末に入力するため、手間がかかる。それでも報酬は増えない。

■移動費用も自…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら