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 コロナ禍で経済指標が悪化し、2008年秋のリーマン・ショックに迫る。企業は手元資金を確保して生き残りをはかるが、予断を許さない状況だ。

 静岡財務事務所が11日発表した4~6月期の法人企業景気予測調査によると、全産業の景況判断指数はマイナス54・6で、リーマン・ショック後の2009年1~3月期(マイナス64・0)に次ぐ過去2番目の低水準となった。前期の今年1~3月期(マイナス20・5)と比べた下落幅では過去最大を記録した。

 マイナスは6四半期連続。経済活動の停滞により、製造業・非製造業ともに景況感が急速に悪化した。大企業はマイナス45・8、中堅企業は同58・5、中小企業は同57・0で、それぞれ11年3月の東日本大震災時を上回る深刻な景況感となった。

 景気判断指数は、自社の現在の景況が前期と比べて「上昇した」と回答した企業の割合から「下降した」と答えた割合を差し引いた値。調査は5月15日時点。(中村純)

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 来春の大学卒業予定者の採用人数を「未定」としている県内企業が23・5%と、前年の11・8%から倍増していることが、しずおか産学就職連絡会の調べで分かった。新型コロナが採用に及ぼす影響については「かなりある」と答えた企業も51・5%にのぼり、前回3月調査の25・0%から2倍に増えた。

 コロナ禍に伴う採用人数の変更については「変えない」が55・1%を占めたが、3月調査の77・5%から減らした。一方で「今後の状況による」が33・7%で3月の17・0%から大幅に増えた。同会の担当者は「採用戦線の不透明感が増している」とみる。

 コロナ収束の見通しについては、「8月以降」「年内」「年明け以降」でそれぞれ2~3割前後を占め、見方が割れた。

 調査は県内2500社を対象に4~5月にかけてネットで実施。回答率は19・1%だった。同連絡会は、県経営者協会などの経済団体と大学で構成している。(中村純)

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 東京商工リサーチ静岡支店によると、5月の県内企業の倒産件数は11件で、4月の24件に比べ減少した。このうち新型コロナウイルスの影響による倒産はコンパニオン派遣業の1件だった。

 同支店によると、件数が減少したのは3カ月ぶり。コロナ禍に伴い裁判所や弁護士の業務が制約・縮小され、破産などの法的手続きが遅れたことも一因とみている。6月以降の倒産件数は増えると予想する。

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 新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ち込んだ中小企業向けの無利子・無担保融資制度に申し込みが殺到している。休業要請などを受けて、売り上げの減少に直面した企業が資金繰り確保に奔走している。

 県信用保証協会によると、県が5月1日に新設した無利子・無担保融資制度「国連携新型コロナウイルス感染症対応貸付」に6月5日までに県内全体で1万5594件、2580億円の保証申し込みがあった。 同制度は、直近1カ月の売り上げが15%以上減少(小規模個人事業主は5%以上減少)したなど一定の条件を満たすと、当初3年の利子や保証料は国が負担するため実質無利子となる。日本政策金融公庫など政府系金融機関が進めてきたが、申し込みが殺到したため、地方銀行や信用金庫など民間の金融機関でも1日から受け付けが始まった。

 同協会によると、融資返済を保証する制度全体の保証承諾額は、5月の1カ月間で前年同月比13・5倍の1725億円にのぼった。2008年のリーマン・ショック後のピーク時の1976億円(保証承諾件数は1万2160件)に迫る過去2番目の高水準になったという。実質無利子・無担保融資が始まったことが全体を押し上げた。4月は1322億円だった。

 業種別にみると、製造業が555億円で最も多く、建設業347億円、サービス業221億円、卸売業219億円、小売業172億円、飲食店94億円、運送倉庫業83億円と続いた。外出自粛で客足が落ち込んだ飲食店の伸びが特に目立った。

 感染第2波に備えて、資金繰り確保に動く企業もあり、申し込みは緊急事態宣言が解除されてからも増え続けている。同協会は「ニーズに応えられるようにできるだけ迅速に対応していきたい」としている。

 信用保証協会は企業が返済できなくなった場合にいったん肩代わりして銀行などへ返済するため、貸し倒れのリスクが減り、企業にとって融資が受けやすいという。同協会では通常よりも2倍の90人態勢で業務に当たるが、1日で500件超の申し込みがあるため、承認されるまでは申請してから1週間ほどかかるという。(和田翔太)

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