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 千葉県市原市で生後10カ月の小西紗花(すずか)ちゃんが衰弱死したとみられる事件。市は「救える命だった」と対応の不手際を認めた。繰り返される児童虐待を無くすために何が必要なのか。元県児童相談所職員で、児童虐待問題に詳しい東京経営短期大学の小木曽宏教授(児童養護論)に論点を整理してもらった。

 市原市で2014年に起きた生後8カ月の男児虐待死事件で、第三者検証委員会に参加しました。父親から暴行を受けていたきょうだいの目視ができておらず、改善策の一つとして、「目視確認を基本とする」と記しました。

 この教訓が生かされなかったのは、何も変えたくないという行政組織によくある慣習文化の問題だと思います。市原市は6年前の事件が改革の転機になるはずでしたが、残念ながら変われなかったのでしょう。

 今回の紗花ちゃんの事件では、市が虐待の危険性の評価を誤り、対応を先延ばししています。乳児健診や予防接種をほとんど受けていないだけでなく、きょうだいの通う幼稚園や保育園から市の虐待窓口に母子の安全を心配する通報も入っていた。こうした情報を集約していれば、虐待のリスクが高いと判断できたはずです。少なくともリスクを評価するアセスメントシートを作成していれば、適正な判断ができた可能性はあります。

 市は、強制力がないために紗花ちゃんを目視できなかったと言います。親が子どもを見せたがらないというのは、何か事情があるからで、その時点でリスクはかなり高い。権限の強い児相に通告するべきでした。なぜ通告できなかったのかは検証しなければいけない。

 市は確かに、家庭訪問はしていますし、現場の保健師らが怠けていたわけではないと思います。ただ、厳しい言い方になりますが、全てが流れ作業になっていて、危険性を判断する責任者が決まっていたのか。組織として虐待リスクを評価できる体制や基準を作らなければ、同じ事が繰り返されると思います。

 14年の事件を検証した際、現場からは専門職の配置が十分でないという声があった。今も状況は同じだといいます。これだけ虐待が社会問題になっているのですから、もっと人やお金を掛けるべきです。

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