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 新型コロナウイルスのあおりで、各地の祭りが軒並み中止に追い込まれている。影響は夏の祭りだけでなく、秋の祭りにも。幾世代にわたって受け継がれ、万単位の観光客が集まる伝統行事が開かれないことは、地域に深い打撃となっている。

 「疫病退散を願う祭りなんだから是が非でもやりたかったが……。準備や神事で祭り一色になるはずだった7月は何をすればいいのか」。尾張津島天王祭(愛知県津島市)の主役の豪華な船を指揮する当番祝司(しゅくじ)、吉田康正さん(76)は肩を落とす。

 津島神社の祭礼で、宵祭(よいまつり)では、ろうそくの火をともした500個近い提灯(ちょうちん)で飾られた船5艘(そう)が天王川公園の池を進む。翌日の朝祭も含めると20万人超が見物に詰めかける。「たくさんの人に喜んでもらえるので、みんな暑い中での作業だが苦にならない」と吉田さん。

 国指定の重要無形民俗文化財で、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている。記録によると、15世紀半ばにはすでに行われており、豊臣秀吉も見物した。織田信長が本能寺の変で世を去った1582(天正10)年は、船の飾り付けをせずに開いたと伝わる。

 だが今年は4月に中止を決定し、神事のみになった。これまで悪天候で規模を縮小した年はあったが、今回のような形は第2次世界大戦末期の1945年以来という。堀田正裕宮司(70)は「船の飾り付け一つにしても昔から伝わる技の継承という役目がある。地域の住民がつながる機会がなくなってしまい本当に残念」と惜しむ。

 観光客誘致に力を入れる津島市にとっても、「遠方から来てもらうきっかけが天王祭」(市幹部)というだけに影響は大きい。例年約150万~160万人の観光客が訪れる津島市では、春の藤まつりもコロナ禍で中止になっており、天王祭の中止と合わせて年間観光客の3割が失われる計算だ。

 今春以降に中止が決まった東海…

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