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 新型コロナウイルスの飛沫(ひまつ)感染を防ぐため、大分県別府市の市立小中学校22校で15日、机に立てる透明シート付きの手作りガードを使った給食が始まった。市によると、県内でこうした器具を各校が同時に使っている自治体はないという。

 手作りガードは3方の枠が段ボール製で、中央部分に透明なシートを張ってある。横65センチ、高さ46センチ、奥行き15センチで、一つ350円。予備費から290万円を出した。市は自立式机飛沫ガード「エールくん」と名付けた。

 製作は同市光町で土産用菓子箱などを作っている「樋口紙器工業所」に依頼。同社は菓子箱の需要が減ったため交代で休ませていたパート10人や親類らの手も借り、5日間で7700人分を市に納めた。樋口良一社長(66)は「こんな時だから子供のために残業して頑張りました」。

 使用は、この日から簡易給食を取りやめ、通常給食を始めるのに合わせた。南小学校(同市浜脇3丁目)では、6年生41人が給食準備が始まるとエールくんを手早く席に置いて並び、当番がシチューにメロン、コッペパンを皿に盛った。

 コロナ禍前は班ごとに向き合っておしゃべりしながら食べたが、今は全員が前を向いて静かな給食になったという。森ことみさん(11)は「みんなで楽しく食べたらもっとおいしく、食欲も出るのに」。中村翼君(12)は「温かいシチューがおいしかった。でもだれにも言わなかったよ」。

 エールくんは、食後は室外にササッと片づけられた。6年生の給食を見学した藤田一樹校長(55)は「楽しくおいしく、という通常給食の再開とまでは行かないけれど、まずは第一歩」と話した。(加藤勝利)