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 部活に入っている中学3年生は例年なら、この時期に各地区で開催される総合体育大会に臨むはずだった。新型コロナウイルスの影響で大会の中止が次々と決まるなか、集大成の場となる代替の大会を開く動きが出ている。

 県内では塩釜市が7月21日、選手の接触の機会が多い柔道や駅伝など4種目は除き、市の中総体を実施する。当初は6月6、7日に予定していたが、「中学最後の舞台、機会を与えたい」(市教委の担当者)と開催を決めた。臨時休校で十分に練習できないなかで成果を出した生徒たちをたたえようと、各優勝校には市長賞を贈るという。

 ただ、全国、東北、県の中総体の取りやめを受け、仙台市を含め、多くの地区大会の中止が決まった。そうしたなかで、富谷黒川地区(富谷市、大和町、大郷町、大衡村)は代替の交流体育大会を7月18~26日のうちの6日間、剣道、柔道を除く10競技で実施する。保護者が参加を認めた生徒のみが参加し、無観客で1年生の応援もなしにする。

 白石・刈田地区(白石市、蔵王町、七ケ宿町)も7月23、24日に交流大会の実施を決めた。

 石巻地区(石巻市、東松島市、女川町)も7月中旬から9月上旬にかけ、会場を分散した交流大会を検討中だ。各校での練習は再開したばかりなので、約1カ月こなしたうえでの日程を設けた。競技ごとに実施の可否を詰め、地区の中学校体育連盟の常任理事会を月内に開いて詳細を決める。同連盟の我妻敬一会長(53)は「区切りの試合がなければ、3年生は『この1年、何をしたのか』となりかねない。これまでの練習の成果を発揮できる場に臨ませたい」と話す。

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 石巻市の河南東中学では11日、部活動が再開した。女子バレー部主将の本木菜々さん(14)は「部活を一番したかったので早く学校が始まらないかと、ずっと思っていました」と話す。

 東松島市と女川町を含む石巻地区の昨年6月の中学校総合体育大会で、先輩たちが率いたチームは優勝した。だが、最上級生になって迎えた昨秋の新人戦では決勝で敗退。先輩たちのように、自分たちも絶対に優勝したい――。練習では「ここだめだよ」と厳しく言い合いながら、14人いる部員全員で成長してきた実感があった。

 ところが、臨時休校に伴って部活も休止に。せめて体力が落ちないようにと、この3カ月、自宅の周りを毎日1時間ほど走り続けてきた。だが、全国、東北、県の中総体の中止が次々と決まり、目標としていた石巻地区の大会もなくなった。「本当にないの?」と本木さんは愕然(がくぜん)とした。

 部活の休止が長引いたことで、ほかの部では「受験勉強に集中したい」「感染が心配」と練習に参加しなかった生徒もいた。女子バレー部でも練習前、顧問の坂本恵香(やすか)先生(26)が各部員と面談した。「試合に勝ちたい気持ちが前みたいに起きない。でも、このまま引退するのは嫌」。悩みを、そう打ち明ける部員もいたという。

 小規模ではあるが、石巻地区では、他校との交流試合の検討が進む。高校でもバレーを続けたいという本木さんは、その話を聞き、少しだけ救われた気がした。「優勝をめざしていたから『もっと練習が必要』と、つらい日もみんなで乗り越えてきた。その成果を試合で見せたい」(岡本進、井上充昌)