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 東京都知事選の告示直前となった15日、れいわ新選組の山本太郎代表が立候補を表明した。現職の小池百合子知事に、元日弁連会長の宇都宮健児氏や山本氏らが競合する形で挑む構図になりそうだ。山本氏は格差や貧困問題などへの訴えを前面に押し出し、保守層、無党派層への浸透も狙う。

 山本氏は立候補を表明した記者会見で、れいわ結党時から訴えてきた格差解消や貧困対策の必要性を前面に打ち出した。その象徴として全都民への10万円給付を掲げ、東京五輪の中止も明言。小池都政の批判票を引き寄せたい考えだ。

 会見では、自身が最近会ったという生活困窮者の話を引き合いに「間違った経済政策、消費増税などで疲弊していた。そこにコロナ災害がきた」と主張。「困った人をなんとかする。それを実現するために政界に足を踏み入れた。(都民)1400万人の底上げ、餓死しそうな人を救えるなら、目の前の知事選に出ると決めた」と訴えた。

 山本氏はこの日の会見の冒頭、立候補の動機や公約を語るより先に、野党候補の一本化をめぐる内幕について説明を始めた。11日に立候補の可能性を示唆してから、SNS上などで宇都宮氏の支持者らから「小池氏へ対抗する票が割れる」などと批判されていたことを意識したようだ。

宇都宮氏とのやりとり紹介

 山本氏はこれまで、立憲民主党などが支援を決めている宇都宮氏と2度面会したとし、「私も出る可能性があると言ったが(宇都宮氏は)『それは出ればいい』と(言った)」などと、やりとりのいったんを紹介した。

 他の野党から統一候補としての立候補を打診されたとも述べた。「次の衆院選で『消費税5%』を統一政策として約束してほしいと(条件を)話したら駄目だった」などと調整の過程を明かし、「宇都宮さんとは財政にかかる考え方が違う。最大限(の財政支援を)やる」と強調した。

 山本氏の立候補表明には野党から批判が上がる。

 れいわは最近、新型コロナの感染防止の観点から、支持拡大の原動力となってきた有権者と対話する街頭集会なども制限している。立憲幹部は「都知事選に出て勢いを回復したいのだろうが、結果によって失速は免れない」。国民民主党幹部は「何もしないより、出る方がいいという判断だろう。自分の都合だ」と突き放した。

 ただ、野党内にはなお山本氏の知名度や発信力に期待する議員もいる。国民の一部などには、山本氏の消費税減税に同調する議員も少なくなく、支援に回る可能性もある。

 「自主投票」という形で小池氏の再選を後押しする自民党では、小池氏有利との見方が大半だ。二階俊博幹事長は15日の記者会見で、山本氏の立候補表明について問われ、「小池さんが圧倒的に勝利するということは間違いなかろうと思っている」と語った。

 一方、昨夏の参院選で全比例候補で最多となる99万票を超える個人票を集めた山本氏への警戒を口にする議員もいる。党幹部は「小池氏を支持する層の票も食うだろう」と指摘。「知事選だけでなく次の衆院選もある」とも語り、山本氏の勢いを見極めたいとする。(小泉浩樹、西村圭史)