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 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、分散登校していた岐阜県内の多くの小中学校や高校で15日、通常授業が始まった。久しぶりにクラス全員が顔を合わせ、学校生活が本格化した。

 岐阜市立本荘小学校では机の間隔を空け、マスクを着けたまま授業をした。給食は約3カ月ぶり。「いただきます」のあいさつの後、児童たちは外したマスクをポリ袋に入れて食事を始めた。級友との会話を控え、時折、顔を見合わせながら、黙々とカレーライスを食べた。今週は配膳作業を軽減するため、メニューが1品少ないという。

 5年1組の丹羽柊二さんは「みんなで久しぶりに給食を食べて楽しかった。早くマスクを外して話しながら食べられるようになってほしい」と笑顔で話した。

 食器の返却も「密」を避けるために児童が間隔を取りながらトレーに片付け、教員が給食室に運んだ。

 音楽の授業では、合唱やリコーダー、鍵盤ハーモニカの使用は禁止。体育は団体での運動を当面は見合わせるという。河井洋子校長は「子どもたちはまだ緊張している。新しい生活様式が当たり前になるまでには少し時間がかかるかもしれない」と話す。

 中津川市でも小中学校30校で通常授業が再開した。11日夜に市役所に脅迫メールが届いた影響で、市教育委員会が保護者に学校までの送迎を要請。児童数の多い学校では、子どもを乗せた車の長い列が出来た。

 市立南小学校では3年生がマスクを着けて2クラス合同の体育の授業に参加した。粟野智久教諭(35)が「やっとみんなで集まれましたね」と声をかけ、児童たちは互いの距離を取りながら、タオルを使ってボールを運ぶゲームなどを楽しんだ。小木曽敏樹校長(57)は「子どもたち自身が(互いの距離を)判断したり、声を掛け合ったりしていた。分散登校の間に学んでくれた」と話した。

 北方町立北方小学校では、岐阜大大学院のマレーシア人留学生、ハイダ・ビンチィ・アブドゥル・ハハンさん(24)が教室に加わった。この日から町立小学校3校に配置されたECF(イングリッシュ・コミュニケーション・フレンド)と呼ばれるスタッフで、休み時間などに子どもと英語で交流し、子どもたちが英語に親しむのが狙いだ。

 6年3組では4月の始業式以来、30人が顔をそろえた。ハイダさんと一緒に休み時間にドッジボールをしたり、算数の図形の授業で「ペンタゴン(五角形)」という英単語を習ったり。春日美桜さんは「久しぶりにみんなと会えた」とにっこり。岸本貴志さんも「大人数でドッジボールができて楽しかった」、川東さきさんは「ハイダさんとしゃべって、マレーシアのことも聞きたい」と話した。(松永佳伸、戸村登、高木文子)

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 県内の高校で15日、休止していた部活動が再開した。生徒たちは、けがをしないように気をつけながら、久しぶりの部活動を楽しみ、汗を流した。

 県岐阜商の硬式野球部では、新1年生を含め76人の部員がグラウンドに集まった。7月からの県の独自大会や、8月に甲子園で開催される、春の選抜大会出場予定校を招いた交流試合に向け、鍛治舎(かじしゃ)巧監督は「新型コロナにしっかりと注意し、早く自分のベストの状態に戻し、さらに夏に向けて積み上げていこう」と呼びかけた。

 手洗いやうがい、消毒を徹底し、部室の使用を一度に5人に制限するなど注意を払う。この日は、キャッチボールやノック、紅白戦で調子を確かめた。全体練習は3月11日以来、約3カ月ぶり。佐々木泰主将(3年)は「野球ができていたことが当たり前ではないと、この期間に実感した。もう一度みんなでこのグラウンドで高め合っていきたい」。

 市岐阜商では、新年度になって初めて相撲部員4人が集まり、四股やすり足で汗を流した。堀太智さん(3年)は「自宅で筋トレを続けてきたが、土俵での稽古は久しぶり。体が思うように動かない部分もあった」と話した。

 体の接触を伴う練習はできないため、ぶつかり稽古は当面自粛。まわしも誰かに締めてもらう必要があるため、ハーフパンツで稽古をした。稽古の後、顧問の野村昌史教諭(46)は、「当たることも押すこともできないが、みんなで切磋琢磨(せっさたくま)してできることを頑張ろう」と声をかけた。

 松永颯斗さん(3年)は、80キロ未満級で全国制覇を狙っていた全国選抜大会が中止。高校総体も中止になった。「とても残念だったが、開催していただける大会があれば、そこでいい結果を出せるよう精進していきたい」と話した。(板倉吉延、山野拓郎)