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 遠くにいる恋人と食事のおいしさを共有したり、ペットと意思疎通したり――。政府は16日、2040年の未来を予測した今年版の科学技術白書を閣議決定した。現実と仮想現実の融合がさらに進み、「人間性の再興・再考による柔軟な社会」になるとした。

 文部科学省は1970年代から定期的に未来予測をまとめており、これまでに壁掛けテレビ(77年予測)や携帯電話(82年)などが的中した。一方、がん転移阻止(77年)や海洋鉱物資源の開拓(92年)などの実現はまだ遠く、的中率は7割ほどという。

 今年の白書は20年後の未来について37項目で予測した。意識や体験の共有が進み、体が不自由でもスキーを楽しめたり、犬や猫と会話できたりするほか、自動車や工事現場の重機などが自動化される。ロボットが畑で果物や野菜を育てて収穫し、ドローンが店や自宅まで運んでくれるとした。

 文科省は白書を科学技術基本計画など長期的な政策に反映する方針だ。担当者は「予測には専門家の意見を取り入れており、20年後にはおおむね実現しているだろう」と話す。

 また、ノーベル賞を受けた吉野彰・旭化成名誉フェローが特別寄稿し、環境問題の解決と持続可能な社会の実現のために、「世界が大きく変革していく今が、子どもや若手研究者にとって絶好の機会」とした。(石倉徹也