政府がネット広告規制の検討に乗り出した背景には、米グーグルやフェイスブックなど「プラットフォーマー(PF)」と呼ばれる巨大IT企業の寡占状態が強まっていることへの懸念がある。広告主やメディア側だけでなく、ネット利用者の不満の声を受けた規制も検討していく方針だ。
世界のネット広告、5割以上がグーグル&FB
現在、ネット広告市場の多くを占めるのが「運用型広告」と呼ばれる、リアルタイムの入札などで広告の掲載場所や価格が決まる方法だ。ネットの利用者が広告枠があるウェブサイトを訪れると、ウェブサイトと広告主の間を多くのネット広告業者が仲介し、株式取引のように瞬時に入札が行われて広告が表示される。多くの業者が参入し、取引の流れは複雑化している。
そんな中で、グーグルやヤフーなどは1社でこの仲介の多くを行えるシステムを構築している。様々なウェブサイトに広告を仲介するほか、グーグル傘下のユーチューブやヤフーのポータルサイトなど、利用者の多いウェブサイトを自社でも抱えており、そこで広告を表示できる強みもある。
政府の資料によると、世界のネット広告売上高の5割以上をグーグルとフェイスブックの2社が占める。国内のシェアは不明だが、グーグルのシェアは圧倒的に高いとみられている。
政府、情報開示求める方針
一方で、広告の価格や質の透明性についてはかねて、広告主と、広告枠に広告を掲載するメディア側の双方から懸念の声が出ていた。公取委の調査では、広告主・メディアともに約5割前後が「サプライチェーンの透明性に問題がある」と回答した。
政府が16日にまとめた規制…
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