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 新型コロナウイルスの感染を警戒しながら、そろりと再開した教育現場。子どもたちの不安、先生たちの負担を少しでも減らそうと、埼玉県北本市立の全12小中学校のトイレを消毒する奉仕活動が始まった。

 16日午後4時前、市立西中学校に、第一生命保険大宮支社北本営業オフィスの社員4人がやって来た。手には雑巾や消毒液の入ったバケツ。校舎の1~4階のトイレの取っ手や便座、蛇口などを1時間ほどかけて消毒して回った。この日は同校を含む6校で同様の作業が行われた。

 同支社は2年前、市民の健康増進に協力する協定を市と結んだ。コロナ禍が収まらないなか、教職員が総出で放課後に子どもたちに代わり、消毒作業をしていることを知った。オフィスの社員約40人はすべて女性で、多くが子どもを学校に通わせている。対面営業自粛中ということもあったが、「協定に沿った支援ができないか」「トイレ消毒だけでも手伝えないか」といった声が上がった。

 今月5日に市教育委員会に申し出て、15日から消毒作業を始めた。西中の西山宏校長は「部活動も始まり、教職員の負担がますます増えていく。大助かりです」と喜んだ。

 社員たちは土日祝日を除く平日の放課後、毎日6校に出向く。期間は消毒の必要がなくなるまで。オフィス長の橋本真弓さんは「在宅勤務が増え、地域還元についてしっかり考える契機になった。みなさんの笑顔を見られてうれしい」と額の汗をぬぐいながら話した。(猪瀬明博)