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 和菓子とオリジナルのドラマをセットで販売して、新型コロナウイルスと共に生きる世界に新たな価値を提供したいという試み「おかしなドラマプロジェクト」が始まった。茨城県鹿嶋市で文政5(1822)年に創業した菓子店「丸三老舗(ろうほ)」神宮駅前店で11日、7代目の笹沼和彦さん(44)が会見し、主演する牛久市出身の俳優野村啓介さん(45)ら3人が、オンラインで参加した。

 今年2月、都内で笹沼さんと野村さんが会い、「今だからこそ、何かできたらいいね」「和菓子を使った芝居をやろう」と一致し、実現した。一話10分程度のミニドラマと、ドラマに登場する丸三老舗の菓子をセットで販売する。第一話は今月21日の「父の日」に販売する予定。

 ドラマは野村さんが演じる、鹿嶋市出身で都内に住む中年の独身サラリーマン丸山慶介が主人公。テレワークや自粛といった新しい生活様式に苦戦しながらもなんとかなじもうとしている。地元の和菓子、家族、級友との関わりなどを通じて、慶介が大切なものに気づく姿を描く。

 撮影は都内の野村さん宅で5月末、ほぼリモートで行った。片岡大樹監督(30)は「普通のドラマはどんなに少なくても十数人が分業制で仕事をするが、今回は、私がカメラもマイクも運んでセッティングした」と話す。

 片岡監督は「登場人物がドラマの中で食べる和菓子を視聴者が同じタイミングで食べることができ、ドラマの中で菓子の由来やおいしさの秘密を語ることで、菓子にもドラマにも厚みが出るようにした」と言う。

 ドラマは毎月1本程度作る。ネットショップ「BASE」で、和菓子代プラス500円で販売する。一定期間が過ぎたドラマは、一話100~200円程度で販売し、途中から見た消費者が、ストーリーを追えるようにする。

 脚本を書いたのは、取手市出身の俳優しおつかこうへいさん(49)。野村さんの一人芝居と丸三老舗の和菓子がベースだが、鹿嶋市に住む人のゲスト出演や丸三老舗以外の市内の特産品の紹介なども検討しているという。しおつかさんは「様々な人に共感してほしい」と願っている。

 笹沼さんは「新型コロナウイルスでお店が厳しい中、面白いことをやりたいと考えた。今までなかったものを目指したので、ワクワクしている」、野村さんは「なるべく長く続けたい。見て頂いた方たちが、楽しんで下さったり、癒やしを感じていただけたりしたらうれしい」と話している。(村山恵二)