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 日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は、日銀が大量の国債の購入を続けている今の金融政策が、正当なものだとかねて主張している。日銀がどれだけ国債を買い増したとしても、それは金融政策のためにやっているのであって「政府のためではない」。だから「財政ファイナンスではない」という説明だ。

 「財政ファイナンス」とは、政府予算の財源を税金に頼るのではなく、中央銀行に紙幣(日本では日銀券)を刷ってもらってまかなうことだ。つまり、中央銀行が政府にとって「打ち出の小づち」のような存在になるということだ。

 こんな都合のいいことをやっていたら、最後には通貨の価値が暴落し、急激な物価上昇(インフレ)を招き、人々の生活が打撃を受ける、というのが各国が歴史から学んだ教訓だ。だから先進国では財政ファイナンスはタブー視され、日本では財政法がこれを禁じている。

拡大する写真・図版金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の黒田東彦総裁=2020年6月16日午後3時55分、東京都中央区、代表撮影

 ところが日本の現状は事実上、財政法に抵触しかねない状態となっている。2019年末時点で日銀が保有する国債は485兆円。政府の国債発行残高の実に47%を占める。

 さらにこの春からは、新型コロ…

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