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 神奈川県箱根町観光協会は16日、町内のホテル・旅館の4~5月の宿泊客数が前年の12%に落ち込み、6~9月の予約も30%台にとどまっていると発表した。新型コロナウイルスの観光への影響が長期化しており、町は宿泊業者らの支援につながるクーポン券の発行を準備している。

 箱根温泉旅館ホテル協同組合の調査では、宿泊客数は4月が前年の12・8%、5月が同11・2%。5月に営業したホテル・旅館は全体の2割程度という。

 5月末に緊急事態宣言が解除され、町内のホテル・旅館の多くは営業を再開し、個人旅行の予約は伸びた。しかし、その後も団体客の予約はほとんど入っていないという。

 また、協会の推計では、今月12日時点で6月の宿泊予約は前年の33・5%にとどまる。7月は33・3%、8月も30・8%と、大幅に低くとどまっている。

 チェックインやチェックアウトを客室で行ったり、大浴場の混雑状況をスマートフォンに伝えたりと、旅館・ホテルは感染防止策をとって誘客に乗り出している。パソコンを利用しやすい環境を整備し、仕事と休暇を兼ねる「ワーケーション」向けの宿泊プランを始めた宿泊施設も、少なくとも5軒あるという。

 協会の佐藤守専務理事は「観光客が感染しないことが第一義で、あまり急激に伸びるのは心配。ただ、経済的には厳しく、徐々に戻ってほしい」と話した。

 町や旅館ホテル組合は複数のクーポンを準備中だ。宿泊券「箱ぴた」は5千円で、登録されたホテル・旅館で1万円分の宿泊に使える。1人4枚まで購入でき、1500枚発行する。

 クーポン券「箱いこ」は2千円。千円分の金券が5枚つき、登録した飲食店や土産物店で利用できる。1人2セットまでで、4千セット販売する予定だ。

 町観光課はクーポンの発売日について、箱根登山鉄道が全線で運行を再開する7月下旬を視野に、感染状況も考慮しながら決めるとしている。

 町内の主な美術館は6月上旬までに観覧を再開したが、入館者は多くない。彫刻の森美術館は今月8日に再開し、「密」を避けやすい屋外展示が中心だが、15日までの入館者数は「通常の2割程度」という。昨年度の推計では入館者の24%を占めた外国人が、ほとんど来ていないことも影響しているという。(村野英一)