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 神奈川県や東京都内の中小企業が、直接手を触れずにドアノブを動かしたりスマートフォンを操作したりできる、小さな金属製品を共同開発して発売した。その名も「コロナに負けない手(で)」。新型コロナウイルス対策で何かできないかと、川崎市の経営者が仲間たちに呼びかけた。

 道具は抗菌効果が高いとされる銅製。アルファベットの「R」のような形で、縦8センチ、横4センチ、厚さ2・5ミリ。リング状の部分に人さし指をかけて持ち、ドアノブを押し下げたり、内カギを回したりできる。金属の細い部分を使って、スイッチを押すこともできる。

 開発を呼びかけたのは大村ネームプレート研究所(川崎市幸区)の大村仁志社長(46)。表札や社名の入った看板、シールなどをつくる従業員19人の会社だ。

 国内でも新型コロナが広がり始めた今年2月、米国のデザイン会社が手を触れずにドアを開閉する道具をつくったことをインターネットで知った。国内企業の金属加工技術を使えばより使いやすいものができるのではないかと考えSNSに書き込むと、「協力したい」「もっとこうした方がいい」という返信が次々に届いた。

 同業の谷田部銘板製作所(東京都板橋区)、金属加工メーカーの青谷製作所(同新宿区)、時吉工業(横浜市鶴見区)も開発に参加することになった。1年ほど前から「チーム町工場(まちこうば)」を立ち上げて日本のものづくりについて意見交換をしてきた大村さんの仲間だ。医療機関や取引先などに試作品を提供して意見を集め、改良を重ねた。

 短期間で発売までこぎ着けたことについて大村さんは「命がけでウイルスと戦う医療関係者、マスクやフェースガードを製造する大手メーカーの話を聞き、中小零細の町工場である自分たちにできることをやらなければ、との使命感があった」と話す。さらによい製品を作ってもらうため、開発で得たデータなどは無償公開した。

 商品の注文はチーム町工場のホームページ(https://team-machikouba.com/dooropner別ウインドウで開きます)から。税と送料込み980円。販売パートナーの店舗で受け取れば税込み800円。100個以上の注文なら、社名などを入れることもできる(1個あたり80円の追加料金が必要)。軽量のアルミ製も注文可能。問い合わせは大村ネームプレート研究所(044・522・3322)へ。(大平要)