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 新型コロナウイルスの影響で第102回全国高校野球選手権大会と千葉大会が中止になったことを受け、千葉県高校野球連盟は16日、独自に8月2~10日に8地区で地区トーナメント、15、16、18日に決勝トーナメントを行うと発表した。原則無観客で実施する。(福冨旅史、小木雄太、真田香菜子)

 大会は県高野連が主催し、日本高野連と朝日新聞社などが後援する(概要は表参照)。県高野連は加盟する全171校から参加を募り、7月中旬までに参加チーム数を決める。

 新型コロナ対策のため、開会式、閉会式は行わず、抽選会に選手は参加しない。選手には試合前2週間の行動記録を義務づけ、試合前に体温や体調のチェックシートを提出する。

 例年の千葉大会は県下一斉方式だが、今回は選手の移動距離を減らすため、地区トーナメントを導入した。8地区は春季・秋季大会と同じ区分けになる。

 1球場で1日に行う試合数も、例年の3試合から2試合に減らす。熱中症対策で昼前後の試合開始は避け、この時間にベンチやスタンドなどを消毒する。タイブレークは通常、延長十二回からだが、今回は延長十回から導入する。ベンチ入り選手は通常通り20人以内。多くの3年生が出られるよう、例年は認めていない試合ごとの登録変更を認める。

 原則無観客で、保護者の入場は今後検討する。控え部員は入場できるが、一定の間隔をあけ、声援は禁止で拍手は認める。吹奏楽や応援団は認めない。

 決勝を毎年恒例のZOZOマリンスタジアムで行うかは未定。「子どもたちにとって大きな願い」(鈴木博史専務理事)としてプロ野球・千葉ロッテと調整する。

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 「記念の1試合、2試合だけでもよい」「8地区のトーナメントで8強を決めるところまで」「いや、県トップを決めるべきだ」

 大会概要の公表が7日予定から16日にずれ込んだのは、県高野連内で激しい議論があったためだ。

 実は途中までの素案は「8地区トーナメントで終了」だった。今月2日、県教育委員会は県立学校に「対外試合は8月1日から」と通知。7月開幕は難しく、8月11~14日も県が定める学校閉庁日で試合ができない。授業時間確保や学校での試験日程、大学受験との兼ね合いもあり、「決勝トーナメントまで行う時間がない」との考えだった。

 だが、7日の理事会では選手にとってどういう形式がベストかで意見が割れ、持ち越しに。13日に再度議論を重ねることになり、最後は「真剣勝負で、最終的にチャンピオンまで決めたい」との声が上回り、判断が変わった。

 開幕日の2日に試合をするチームは、対外試合の解禁翌日の本番となり、「けがのリスクが高い」などの意見も根強く残る。16日の県高野連責任教師会議でも慎重論が出たという。結局、県教委には対外試合の解禁時期を早めるように要望することで落ち着いた。

 渡辺範夫会長は「(決勝トーナメントを諦め、準備期間をつくるという考え方も)あった。その辺が一番時間がかかった」と明かした。

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 「これまでの思いをぶつけ、優勝したい」。昨秋の県大会で準優勝した拓大紅陵。夏の独自大会に向け、選手たちがグラウンドで体力トレーニングをする中、篠田渉太主将(3年)はこう意気込んだ。

 3月から練習できなくなり、選手たちは、公園でのキャッチボールや自宅での筋トレを続けてきた。6月1日から全体練習を再開したが、和田孝志監督は「けがや熱中症が怖いので、まずは基礎体力を戻すところから」。篠田君は「野球ができることがこんなにありがたいことなんだと気づいた。甲子園がなくなって悔しいけど、応援してくれる人たちに3年間の思いが伝わるような試合をしたい」と話した。

 和田監督は「やっと試合用のユニホームを着させてやれる。選手は全力で楽しんできてほしい」と喜びの声をあげた。

県独自大会の概要

名称

「2020夏季千葉県高等学校野球大会」

日程

・8地区トーナメント(7月19日までに抽選)8月2~10日

・決勝T(8月10日に抽選)15日は準々決勝、16日は準決勝、18日は決勝

会場

・8地区Tは各地区の計16球場

・決勝Tは県野球場、船橋市民球場。決勝は県野球場の予定

試合形式など

・1球場1日2試合。試合開始は原則、第1試合午前9時、第2試合午後2時

・ベンチ入りは20人。試合ごとに変更可

・延長10回よりタイブレーク

・投手は週500球以内の球数制限

・申告故意四球(敬遠)あり

主な感染防止策

・原則無観客。控え部員は入場可だが、声援は禁止。拍手は認める。保護者は今後検討。吹奏楽などは禁止。

・開会式、閉会式は行わない

・入場者の全員の検温など

・試合後はベンチ、スタンドなど消毒

・8地区トーナメント制で選手の長距離の移動を減らす