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【答える人】草野研吾さん 国立循環器病研究センター心臓血管内科部長【大阪府吹田市】

 23歳の息子。会社の健康診断で「WPW症候群」と指摘されました。自覚症状はなく、循環器内科を受診したところ、「自覚症状が出たら再受診してください」と言われました。症状の特徴や注意点を教えてください。(神奈川県・H)

 Q どんな病気ですか。

 A 心臓では通常、「房室結節」という部分が、心房から受け取った電気刺激を心室に伝えています。WPW症候群は房室結節に加えて、ケント束と呼ばれる「副伝導路」が心室と心房の間に別に存在するため、さまざまな不整脈が起きる場合があります。生まれつきなので、学校の健診などで心電図をとったときに無症状で見つかることが多いです。割合は1千人に1~3人くらいで、男女差はありません。

 Q どんな症状ですか。

 A 不整脈の中で最も多いのは、「発作性上室性頻拍(ひんぱく)」です。動悸(どうき)が突然始まり突然終わるのが特徴です。心拍数が毎分120~250回となり、めまいや失神がでることもあります。他に、患者さんの中でも0・15%程度と比較的まれですが、心室細動による突然死のリスクもあり、初めての発作でもありえます。一方、無症状で過ごす人も多いです。症状やリスクは人によって異なるので、無症状でも一度は循環器内科など専門医を訪ねてください。

 Q 診断は。

 A 心電図で診断します。副伝導路がどのくらい刺激を伝えるのか、「伝導性」を調べることが重要です。心電図をとりながら運動したり、24時間心電図をとったりして波形を見ます。リスクが高そうであれば、カテーテル(管)を足から血管を通じて心臓に入れ、リスク評価をします。

 Q 治療方法は。

 A 心臓に入れたカテーテルで副伝導路を焼き切る手術があります。手術自体は3時間弱、2泊3日程度の入院で根治できます。副伝導路の伝導性を抑える薬もあります。いずれも保険適用です。

 Q 無症状でも治療は必要ですか。

 A 様子を見ることもあります。無症状なら車の運転にも制限はありません。ただ、妊娠や出産の際は心臓に大きな負担がかかり、不整脈が誘発されやすくなるので、若い女性の場合は積極的に手術による根治を勧めています。

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