シャボン玉で人工授粉 息子と外遊びでひらめいた
市野塊
果樹園や畑に無数のシャボン玉が飛び交う――。そんな不思議な未来を予感させる研究結果を北陸先端科学技術大学院大学(石川)のチームが発表した。花粉を混ぜ込んだシャボン玉で人工授粉させて果実を実らせることができたという。
植物の受粉に大きく貢献するのは、体に花粉をつけて動き回るミツバチなどの昆虫だ。しかし、近年は気候変動や農薬の多用により数が世界中で減ってきた。農作物では、人が筆などで花粉を付着させて人工授粉させることが多いが、人手やコストが課題だった。
同大の都(みやこ)英次郎准教授(40)らは、花粉がはたらきを維持できる洗剤の種類や濃度を調べ、花粉の活性化をうながすカルシウムやカリウムなどを加えて、最適なシャボン液をつくった。そこに花粉を混ぜてシャボン玉にして、ナシの花のめしべにぶつけ、受粉に成功した割合を経過時間ごとに調べた。
すると、花粉をめしべに直接…
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