「幸せじゃない」米市民、半世紀で最多 外出制限影響?
米国民の中で、「普段の生活にとても幸せを感じる」という人の割合が、過去半世紀で最も少なくなっていることが、米シカゴ大の世論調査センター(NORC)の調査で分かった。「孤立を感じる」という割合も増えており、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための外出制限などが影響をしているようだ。
NORCは1972年から、米社会についての調査を継続的に行っており、質問の一つとして最近の生活について、「とても幸せ」「結構幸せ」「それほど幸せではない」の3択で答えてもらっている。今年は2年ぶりに調査を実施し、5月下旬に2千人超から回答を得た。
その結果、「とても幸せ」と答えた人は過去最悪の14%(前回比17ポイント減)だった一方、「それほど幸せでない」は過去最高の23%(前回比10ポイント増)だった。「それほど」が「とても」より多かったのは、調査開始以来、初めて。「結構幸せ」は62%(同6ポイント増)だった。また、「人から孤立していると感じることがある」と答えた人は50%で、前回の23%の2倍以上だった。
NORCは、新型コロナが結果に影響している、とみている。NORCのルイーズ・ホークリー・シニア研究員は「人びとに喜びを与えるのは、社会的なつながりだ。(新型コロナへの対応のための)ソーシャルディスタンシングや外出制限令によってそれが奪われ、ライフスタイルの変化や感染への不安も重なった」と語る。(ニューヨーク=藤原学思)