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 東京都知事選の告示を翌日に控えた17日、立候補を表明した5人が、日本記者クラブによる共同記者会見に出席した。来夏への延期が決まった東京五輪・パラリンピック開催の是非や、新型コロナウイルスへの対応について、論戦を繰り広げた。五輪とコロナへの対応が大きな争点になりそうだ。

 会見場は設けず、5人がオンライン会議システムに同時参加して、今回の都知事選では初めて顔をそろえた。5人は50音順に、元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)、元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)、現職の小池百合子氏(67)、NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)、れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)。

 主張が分かれたのが、東京五輪の開催の是非だ。

 五輪・パラは来夏に延期され、国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会は費用縮減や簡素化の方針を示しているが、数千億円とされる追加費用の大半は開催都市の東京都が負担することになる。大会開催の要件となる海外での感染拡大収束のめどは立っていない。

 来年の五輪・パラの「中止」を明言したのは山本氏。「特効薬もワクチンもない。開催地として安全にできないということをIOC側に伝えるべきだ」と訴えた。宇都宮氏も「感染症の専門家が開催困難と判断した場合は、IOCに中止を働きかける。中止で浮いた予算はコロナ災害の被害に遭った都民の支援に回したい」と述べた。

 再延期を提案したのが、小野氏と、立花氏だ。小野氏は「2024年開催を目指す」とし、「公衆衛生が優れない国では、まだ感染拡大は止まらない。1年後の感染状態は非常に悲観的だ」と語った。立花氏は「4年後、あるいは2年後の開催」とし、「この判断は東京でやるのではなくIOCにやらせる。費用もIOCが負担しなくてはならなくなる」と主張した。

 小池氏は「簡素化、費用縮減、都民・国民の理解が得られるように進める」とし、来夏の開催を目指す考えを改めて説明。「水際対策、選手村の安全安心の確保、観客をどうするか、課題はあるが、新しい五輪・パラリンピックの象徴を作っていく」と語った。

 新型コロナ対策でも、候補者の特色が出た。小池氏は「CDC(米疾病対策センター)の東京版の創設」を挙げ、「医療機関との連携強化、感染者情報の正確な把握」を訴えた。

 これに対し、宇都宮氏は「コロナ災害から都民一人ひとりの命と暮らしを守り抜く」とし、「自粛・休業要請に対する補償の徹底」を強調。「全都民に10万円の給付金」を掲げる山本氏も自粛要請への補償に触れ、「東京は超優良財政団体。圧倒的に資金を調達する能力がある」として、都債発行で財源を確保する考えを示した。

 小野氏は、感染者が相次いでいる新宿・歌舞伎町を例に挙げ、「リスクがある所だけしっかりと対策する」とし、地域を限定したより強力な自粛要請を提案した。立花氏は、都のこれまでの対応を「行きすぎた自粛」と批判。一律の外出自粛ではなく、重篤化のリスクがある人に自粛要請を絞っていく考えを示した。

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 18日に告示される都知事選には5人のほか、17日までに石井均氏、市川浩司氏、岩橋健一氏、押越清悦氏、込山洋氏、斉藤健一郎氏、桜井誠氏、竹本秀之氏、内藤久遠氏、長澤育弘氏、七海ひろこ氏、西本誠氏、久田真理子氏、平塚正幸氏、山口節生氏の15人が記者会見や朝日新聞の取材で立候補の意向を明らかにしている。