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 19日に開幕するプロ野球。パ・リーグの担当記者がチーム力を分析した。

西武 主力復調、先発は未知数

 春先に苦しんでいた投打の主力が、本来の姿を取り戻しつつある。

 打では、スパンジェンバーグ。練習試合で3戦連続の4本塁打を放ち、終盤は1番打者を任された。左翼、右翼、三塁、二塁と多くのポジションを守れるのも魅力で、本人は「毎試合、違った形で貢献できる」。昨季のチーム打率と総得点はリーグ首位。秋山が大リーグに移籍しても、打線に見劣りはない。

 先発投手では、今井達也が復調してきた。3月の時点では、制球にばらつきが目立った。しかし自主練習期間中に、投球フォームを修正。走者がいなくてもセットポジションから投げるようになり、安定した。球威は落ちず、155キロをマークしたこともあった。

 14年ぶりの古巣復帰となった松坂大輔は、練習試合で1回を投げただけで、現在は2軍で調整中。1軍公式戦で登板経験のない与座海人が開幕ローテーションに入った。未知数の部分が多く、過密日程も待ち受けるだけに、首脳陣は中継ぎ以降のやりくりに頭を悩ませそうだ。

(西武担当・井上翔太)

ソフトバンク 2大砲不在、好発進カギ

 デスパイネ、グラシアルがキューバから来日できずにいる。それでも3番に柳田、4番にバレンティンを据える中軸は破壊力十分だ。昨季不振だった上林の復活に加え、6年目の栗原が開眼、本職は捕手ながら内外野を守れる好打者だ。

 あとは「得点力が課題」と工藤監督。昨季はリーグ1位の183本塁打を放ちながら、総得点は4位。四死球の獲得や走塁も絡め、攻めの効率を上げたい。

 投手陣ではエース千賀が2軍調整中。昨季の新人王・高橋礼も故障明けで、中継ぎからスタートする。開幕投手の東浜、石川も練習試合では不安を残す内容だった。新加入の左腕ムーアや、12年目で初めて開幕ローテーションをつかんだ二保の働きが鍵になる。層が厚くとも、中継ぎの負担が増すようだと苦しい。

 王貞治球団会長は「試合数が少ない分、スタートダッシュが大事になる」。開幕カードは昨季8勝17敗と大きく負け越したロッテと本拠で。その後は敵地でリーグ覇者西武との6連戦だ。いきなりの山場で、勢いをつかめるか。(ソフトバンク担当・藤木健)

楽天 攻め隙なし、抑えに注目

 多彩な攻めを仕掛けられる陣容が整った。

 ともに昨季33本塁打を放った浅村とブラッシュが主軸に座り、銀次や島内らが控える。厚みを持たせているのが鈴木大、ロメロの新加入組だ。ともに練習試合で好調ぶりをアピールしてきた。

 機動力を生かしたい三木新監督のもと、昨季リーグ最少タイだった盗塁数(48個)は増えそうだ。茂木や2年目の辰己、新人の小深田ら走れる選手がそろう。競り合いで力を発揮するだろう。

 不安を抱えていた投手陣は駒がそろってきた。

 先発投手では開幕投手に指名されている則本昂と、ロッテから移籍した涌井が安定している。抑えから先発に転向する松井は苦しんだ時期があったものの、自粛期間を生かして復調してきた。腰の張りで出遅れていたベテラン岸も戻ってきた。

 救援陣には新加入の牧田やシャギワらが控えており、新たな抑え候補は森原が一番手だ。優勝の鍵は、投手陣が握るだろう。

(楽天担当・坂上武司)

ロッテ 新加入組、浮上に不可欠

 新戦力の活躍がチームの命運を左右するだろう。

 走攻守がそろい、ソフトバンクからフリーエージェント(FA)移籍した福田秀。打線の牽引(けんいん)役を見込まれているが、練習試合では下半身の状態が万全ではなく、指名打者での起用が続いた。1年間フルで出場した経験がなく、体調維持が鍵となる。

 楽天からFA移籍した美馬は当初、開幕投手に内定していた。だが、3月に左わき腹に違和感を訴え、大役を石川に譲った。美馬は「違和感も無く、体も大丈夫」と話しており、開幕カードから登板する予定。昨季、2桁勝利を挙げた先発がいなかった投手陣の柱として期待がかかる。

 新人では捕手の佐藤(東洋大)と内野手の福田光(法大)が猛アピールしてきた。ドラフト1位の佐々木朗(岩手・大船渡高)は5月下旬のシート打撃で160キロをマークしてから回復状況が思わしくなく、しばらくはノースロー調整が続く。体作りを優先するなか、1軍戦でいつ登板するかに注目だ。

(ロッテ担当・室田賢)

日本ハム 打線底上げへ期待十分

 昨季はチーム本塁打数がリーグで唯一、2桁(93本)にとどまり、得点力に欠けた打線の底上げに期待したい。

 長打力アップのために獲得したビヤヌエバが虫垂炎で出遅れているが、復帰は早そう。中田は力を抜いた新打法で成長の兆しが見える。昨季、自己最高の成績を残した大田、入団2年目で真価を見せたい王柏融と伸びしろはある。

 投手陣はプロ野球最多337ホールドの宮西ら、しっかりとした中継ぎがいるだけに、先発陣の踏ん張りが鍵。昨季15勝の有原に加え、マルティネスと上沢がケガから復帰。新加入のバーヘイゲンは150キロ超の球を投げる。先発に長い回を任せず、選手の特長に合わせた継投策もベンチの腕の見せどころ。

 昨季は夏場に首位に肉薄したが、主力のけがで大失速した。今季の過密日程について、栗山監督は「キャンプの後に一度休んだ形で元気に見えるが、続かないと思う。気温に気をつけながらケガをさせないようにしたい」と警戒する。

(日本ハム担当・坂名信行)

オリックス 助っ人活躍、浮沈を左右

 開幕がずれ込んだおかげで、故障者が復帰できたことはプラス材料だ。

 心強いのは正捕手の若月。課題の打撃も成長し、下位打線の中心になりそう。投手陣では腰の手術を経て、一昨年に9勝したアルバースが先発の一角に食い込んだ。

 逆に昨季30盗塁の福田、打撃好調だった宜保が骨折で離脱したのは痛い。ともに二遊間のレギュラー候補だっただけに、内野手の層の薄さをどうやり繰りするか。

 山岡、山本のエース級2人が安定しているのは他球団にない強みだ。昨季はそれぞれ最高勝率、最優秀防御率のタイトルを獲得し、合わせて21勝した。アルバース、田嶋ら他の先発陣の踏ん張りが、シーズンの順位に直結する。

 吉田正、中川、ロドリゲスらは打撃好調だが、心配なのはメジャー282発、鳴り物入りで入団したジョーンズ。変化球に苦しみ、快音は少ない。「開幕すれば上げてくるでしょう」と西村監督は4番起用を続けるが、打線を分断する恐れもある。(オリックス担当・山田佳毅)