長野)車で避難できる場所をマップに 水害に備え
梅雨や台風に備え、水害の発生時に車で避難できる場所を示したマップを長野県がつくった。新型コロナウイルスの影響が続くなか、「3密」になりやすい避難場所に行くのをためらう人もいると想定。逃げ遅れをなくすため、避難先の選択肢を広げた。
マップは、県と防災科学技術研究所(茨城県つくば市)が独自に作成し、県のホームページで公開している。浸水想定区域や土砂災害警戒区域を色分けした地図上に、指定緊急避難場所のほか、車で避難できる場所を記した。広い駐車場のある公園や小中学校の校庭など68市町村の計823カ所が選ばれ、クリックすると、駐車できる台数やトイレの有無などを見ることができる。
車での避難は、渋滞に巻き込まれて動けなくなったり、エコノミークラス症候群を発症したりする危険もあり、勧めていない自治体もある。一方で、新型コロナの感染が広がるなか、避難場所は密閉、密集、密接の3密になりやすく、集団感染の可能性もある。
県は、それをおそれて自宅にとどまったり、安全ではない場所に行ったりして被災するケースが起きると想定。車での避難も選択肢の一つに加え、受け入れ可能な場所を示すことにした。ただ、親類や知人宅への避難を最優先とし、それができない場合に限る。あくまで一時的なもので、避難勧告などが解除されるまでの1泊程度を限度としている。
避難が長期になる場合は、避難所に移ることになる。新型コロナ下での避難生活については、感染リスクを下げる避難所運営や宿泊施設の活用など、各市町村が検討を続けている。
県危機管理防災課は「ハザードマップで自宅の場所を確認し、災害が起きる前に、自分にできる避難方法を考えておいてほしい」と呼びかけている。マップは(https://www.pref.nagano.lg.jp/bosai/kurumahinan.html)で。(田中奏子)
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