「北朝鮮、戦時に近い状態」 韓国の融和政策は正念場
ソウル=鈴木拓也
北朝鮮が開城(ケソン)の南北共同連絡事務所を爆破した問題に絡み、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の実妹の金与正(キムヨジョン)党第1副部長は17日、韓国が2018年に合意した南北の経済協力を果たしていないことを非難した。北朝鮮軍は開城工業団地と金剛山観光地区に部隊を展開すると表明。相次ぐ挑発に韓国政府は融和政策の修正を迫られつつある。
朝鮮中央通信は17日、北朝鮮が、韓国の文在寅(ムンジェイン)政権が15日に鄭義溶(チョンウィヨン)・国家安保室長と徐薫(ソフン)・国家情報院長を特使として派遣するとした提案を、「荒唐無稽」として拒んだと伝えた。
与正氏は17日に発表した談話で、正恩氏と文大統領が18年に合意した経済協力に言及。米韓同盟を優先する韓国が、国連制裁の枠内での実施に限るという「前提条件を付けてきた」と批判した。そのうえで、南北関係の悪化は「南朝鮮(韓国)当局の執拗(しつよう)で慢性的な親米屈従主義が生んだ悲劇だ」と主張した。
与正氏はまた、爆破前日の1…