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 インターネットやスマートフォンの利用について、子どもたち自身はどのように考えているのでしょうか。子どもと専門家が一緒にネット依存について話し合った「withコロナに向けた緊急Webシンポジウム」(5月30日)に参加した中・高生に、これからのネット教育のあり方などについて意見を聞きました。

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 岡山県の高校1年、山本ひまりさん ネットを利用し始めたのは小学校2、3年の頃です。タブレットを親からもらって、最初はゲームをしていました。でも、ゲームはあまり得意じゃなく、高学年からは趣味の本について調べることに使うようになりました。

 以前のネットの利用時間は1日1~2時間でした。新型コロナウイルスの影響で休校している間は6~10時間になることも。趣味の図書館や書店巡りができず、ネットで川端康成や江戸川乱歩の小説を読んだり漫画やミュージカル作品を楽しんだりしているうちに長時間に及んでしまいました。ついやり過ぎてしまった日は落ち込みました。

 学校での先生や友達との会話にはインプットもアウトプットもありますが、私の場合、ネットは基本的にインプットのためのツール。インプットだけでは思考力や想像力が衰えるのを感じました。例えば本を読んだ後、内容をかみ砕いて考えたり、人に感想を伝えたりするアウトプットがあることで思考力が養われる。でも、ネットで得る知識は頭に詰め込まれているだけで、何も残らない感じがします。それが怖い。

 一方で、ネットを使える環境がない人もいます。デジタル機器を持っていない知り合いに休校中の様子を聞いたら、「することがなくて、何もしないで終わった」と。貸し出す自治体もあると聞きますが、このままでは持っている人とそうでない人の差が広がってしまいます。公的なサポートがあれば、と思いました。

 学校の連絡用アプリもあるといいなと思います。私は他の人とSNSの連絡先を交換しない方なので、級友たちが作っているLINEのグループに入っておらず、時間割の変更を知らずにいたことがありました。

 先日、プロレスラーの木村花さんが亡くなりました。SNSでの誹謗(ひぼう)中傷に悩んでいたと言われています。私たちはリアルとネットの両方の世界で生きています。従来の道徳の時間はリアルでどう生きていくか、ということに重点が置かれていました。誰かが亡くなったという出来事で終わらせないためには、ネットの世界でどう有意義に過ごすかを主体的に考える機会が必要だと思います。

 私たちの親が、ネットの現状についてどのくらい知っているか。守るべきルールやモラルの線を、どこに引いているか。各家庭で差があると感じます。だから家庭ごとではなく、学校単位で話し合う場がほしい。

 そして、学校の先生がたもネットについて詳しく知ってほしいと思います。SNSを使ったことがない先生がネットのモラルやルールを教えても、生徒たちは説得力がないと感じてしまうからです。

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 兵庫県の高校2年、副島諒哉さん 普段のスマホの利用は、1日4時間ほどです。オンラインゲームやSNSのほか、古文の調べ物など学習に使うのがもっぱらです。新型コロナの影響で学校が休みになった3月の初め、50分ごとに区切った自習の時間割を組んでみたのですが、2日目に寝坊してしまい、そのまま挫折してしまいました。

 時間は有り余っていました。そんな中で勉強は後回しになってしまい、よくないと思いつつスマホで楽しめる漫画やゲームに没頭し、1日12~13時間に。勉強は最大でも1時間程度しかしませんでした。スマホのビデオ通話機能を使い、友人4人でお菓子を食べながらオンラインおしゃべり会を定期的に開きました。

 ただ、学校が再開したら授業と部活で自由にできる時間が少なくなり、以前の生活に戻りました。休校期間中、スマホにあてていた時間は、今後頑張って取り戻せばいいと思います。

 ネット上の誹謗中傷や高校生が出会い系サイトなどで事件に巻き込まれるニュースを見聞きしますが、あまり身近に感じません。わざわざ他人の悪口を書き込む気持ちがわからない。自分にとってスマホの利用はリラックスの場で、趣味を楽しむ感覚なんです。

 大人世代と僕たちとは生きてきた時代が違います。

 スマホの楽しみを知らない大人たちが一方的にルールを押しつけてきたら、「スマホのいいところと悪いところを知らないくせに」と反発してしまう。そこを理解してほしいです。

 今回、オンラインシンポジウムという形で、初めて不特定多数の前で自分のことを話す経験をしました。

 後で視聴者が800人いたと聞いて、ぞっとしました。リアルの場だったら緊張して、とても話せなかったかも知れません。でも、これもネットのいいところじゃないかと思います。

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 神戸市の中学2年、久保田京さん 親との約束で、高校生になるまでスマホは使わせてもらえないことになっていました。でも、僕が所属する陸上部の先輩や部員仲間たちはみんなLINEでつながって部活の連絡をしており、僕だけが取り残されている状況でした。親には「買ってほしい」とは言わず、困っていると伝えました。そうしたら、昨年11月にスマホを持たせてもらえることになりました。

 我が家のスマホ使用ルールは、平日1時間、休日2時間まで。30分に1回は休憩をとる。利用は居間のみ、外に持って出る時は親の許可を得る。これらのルールは親が決めたものですが、親とは普段からよく学校の話をしているので、親が決めたことに間違いはないだろうと思っています。反発はありません。

 新型コロナウイルスの影響で学校が休みになっていた間はスマホで動画を見たり、ゲーム機で友達と戦闘系のゲームを楽しんだりしました。使用時間がどんどん増え、羽目を外して5時間近くになってしまった日も。ルール違反なのですが、親も僕にある程度任せてくれている部分があり、そのつど厳しく叱られるということはありませんでした。ただ、5時間も使うと目が疲れてしまって自主的にやめます。

 ネット依存の問題については、子ども世代と大人世代が一緒になって熱心に取り組んでいる地域と、そうじゃない地域があると思います。僕らの意見を聞いたうえで、例えば子どもにスマホを持たせる際に先生や親がどんなことをすればいいのかを参観日の後の保護者会で話し合うようにするとか、全国で一定の決めごとをしたら効果が大きいのではないかと思います。(中塚久美子