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 はじめは、ちょっとした「ノリ」のつもりだった。米メリーランド州ローレルのラッセル・フィリップスさん(40)は16歳の時、パーティーで友人に勧められ、コカインに手を出した。つかの間の高揚感にとりつかれた。薬ほしさに、売買にも手を染め始めた。

 女手一つで育ててくれた母親のデボラさんには知られたくなかった。だが、家を空ける日々が続き、気づかれた。「ドラッグなんてやめて」。母の目に浮かぶ涙に、少し心が痛んだが、耳を貸す気にはならなかった。目標もない平凡な生活。楽しい気分になって何が悪い。母はいつも「あなたには自分の人生を素晴らしくする力があるのよ」と言う。そうでないことは、俺が一番よく知っているよ。

 逮捕歴は40回以上。母は何度も警察で涙を流して謝った。2014年、また捕まった。所持していたコカインの量が多く、拘束されたときに警察に抵抗したことで、懲役10年の実刑判決を受けた。これまでにない厳しい刑だ。母は泣き崩れた。交際していた女性との間に子どももいた。とうとう、どん底まで落ちた。「このままじゃダメだ」。刑務所に入るとき、薬を断つことを心に誓った。

 入所中もしょっちゅう電話をくれた母が15年、肺がんで入院した。

 幸いにも早期で回復が見込める…

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